黒竜江省・斉斉哈爾(チチハル)市でこのほど、旧日本軍の遺棄した毒ガス弾2発が発見された。迅速な処理を行ったため、けが人・死亡者はいなかった。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
斉斉哈爾市・富拉爾基区鉄北新区に住む王俊平さんら3人が4日午後3時ごろに同区で畑を耕していたところ、2発の砲弾を発見した。腐食が深刻だったため、3人はただの金属だと思い込み、袋に詰めて倉庫の中に移しておいた。その後、不注意により2発の砲弾のうち1発が損傷、砲弾から黒褐色のどろっとした液体が流れ出るとともに強いニンニク臭がしたため、3人はすぐに公安部門に通報した。
専門家の鑑定により、これらの砲弾は旧日本軍の遺棄したイペリットガス(マスタードガス)弾(「75」式化学弾)であることが明らかになった。砲弾の直径は7.5センチ、長さは35センチ。呼吸困難や肌のただれを引き起こす強力な毒ガス弾だ。現在、専門家が密封処理を行い、専用の倉庫で保管している。
毒ガス弾を発見した3人は隔離の上、観察・治療が行われたが、汚染はなく、すでに退院したという。
イペリットガス弾はかつて、2003年8月4日に同市で起こったイペリットガス漏えい事故の原因となっている。同事故では1人が死亡、43人が負傷した。
「人民網日本語版」2007年5月18日