ホーム>>社会>>社会ニュース
祝祭日見直し──あちら立てればこちらが立たず
発信時間: 2007-12-06 | チャイナネット

 

11月13日、21社のメディアが国務院法制弁公室に対し、メーデー長期休暇の存続を求める建議書を提出した。そのなかで彼らは、ゴールデンウィーク制がスタートして8年が経ち、この休暇に対する期待は生活の重要な要素となっている、と指摘。また、大規模な人口流動が労働者の家族と労働現場を遠く引き離している現状では、長期休暇があってこそ家族との団らんを実現できるが、短期休暇に分散されれば団らんは実現できない、としている。

北京の大学生・劉強さんは、ゴールデンウィークを利用して友だちと旅行に出かけるのが好きだ。そのため、彼はメーデー長期休暇の廃止に反対している。この長期休暇が廃止されれば、旅行の機会が減るのはもちろんだが、国慶節と春節の長期休暇に人々が集中し、交通圧力はさらに増し、観光地には人が殺到、航空便も列車もいっそうチケットを確保しにくくなる、と彼は言う。

中国社会科学院経済研究所の王振中副所長は、別の角度から懸念しているとして「今、多くの中小企業が従業員の休暇をむりやり取り上げている現象は深刻。政府が長期休暇のゴールデンウィークを管轄すれば、中小企業は従業員に休暇を与えざるを得ない。長期休暇が分散されてしまえば、これらの従業員、特に出稼ぎ労働者の休暇確保は難しくなる」と明かした。

伝統文化の復活

メーデー長期休暇の廃止か存続かの決定が難しい状況とは逆に、調査結果では7割を超えるネット利用者が伝統的な祭日の復活に賛成している。

華東師範大学の博士課程指導教官である田兆元氏は、清明節、端午節、中秋節、陰暦の大晦日という四つの伝統的祭日を復活させる意義は大きい、と語る。祭日という風習は文化的アイデンティティの重要な形であり、民族文化の象徴である。一つのグループの文化伝承にとっても、民衆の結束と調和にとっても、社会の安定にとっても、その意義は計り知れないものがある。

現在、文化的価値と民俗行事を備えた伝統的祭日は、休日として確保されていないため、民俗行事は有名無実となっている。

たとえば中秋節の場合、月餅を食べ、一家団らんの中で名月を愛で、さらに月を祭るという風習だ。重要なのは、中秋節が伝統に則り家族そろって団らんする日だという点で、この日が休日になればその機会を提供できることになる。こうした民俗儀式は文化的な奥行きを秘めたもので、自然を貴び、命と心を大切に思う気持ちを内包している。

中国、特に南部では、清明節の墓参りは大事な風習となっているが、今は祝日となっていないため、この風習もそのあおりを受けている。

田氏は、祭日は現代社会にとって特別の価値があると考える。祭日は、人々が忙しさのあとに行う特別の通過儀礼であり、人々の文化的観念を呼び覚まし、これを強めることで多忙の中にあっても民俗的な文化体験を失わないようにするものだ、と彼は言う。

現在、ネット上の調査をすでに終え、意見をとりまとめたうえで調査結果の一部を国務院に報告することになっている。最終的には年内にも国の法定休日見直し案が公表される見通しだ。最終的な結果がどうなるにせよ、今回の休日制度をめぐる議論は、国民が自らの権利とその生活の質の向上に重きを置き始めていることを物語るものだった。

     1   2  3   4    


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 55年発行の第2版人民幣、金銀製の記念品に

· 政府主催の晩餐会が「3菜1汁」に 高官も節約を実践

· 女性を家庭内暴力から守れ 施設整備が着々進む

· 中国医学基金成立20周年、ヨード欠乏病撲滅に貢献

· 浙江省 濃霧で33台の玉突き事故 1人死亡