年に1度の全国大学院入試があと10日に迫ってきた。緊迫した雰囲気の中でひときわ珍しいグループ「考研保姆」(大学院受験生のための家政婦)が多くの受験生の中に混じって人生の一つの分岐点を迎える子供たちの世話にあたっている。江西省会南昌市のある大学によると、入試の日が近づくにつれ、家政婦紹介会社の「考研保姆」が不足する事態になっているという。「中国新聞網」が伝えた。
「考研保姆」は掃除、洗濯、受験資料のコピーなど受験生の身の回りの世話をする。受験生が「予約」すれば食事を作って学生寮やアパートに届けたりもする。仕事の内容がわりと簡単で、素養のある大学生の面倒を見るので、この職を希望する家政婦は後を絶たない。大学生1人から毎月300~400元の料金を取り、一人の家政婦が大学生1人~10人以上を受け持つこともあり、他の家政婦よりも収入が高い。
教育関係者によると、「考研保姆」が人気を集めるのには激烈な受験競争が背景にあるという。教育部が発表したデータによると、2007年の全国修士課程入学試験の受験者数は128万人で前年よりも7千人増加した。専門家によると、今年の受験者数はさらに増えることが見込まれるが、大学側の定員は狭き門で、競争率がさらに激しくなることが予想されるとしている。
受験熱の背景には就職難が関係している。社会科学院が発表した最新データによると、2007年に卒業した全国の大学生500万人のうち、約100万人はまだ就職できていない。江西財経大学の李教授は「就職説明会会場は超満員の状況で、就職が難しくなっていることから、仕方なく大学院を受験する学生が増えている。そこに『考研保姆』が登場した」と語る。
「人民網日本語版」2008年1月11日
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