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ビーイング・マイセルフ──中国の“ポスト80”
発信時間: 2008-03-25 | チャイナネット

最終的にトップの座に輝いた許怡氷さんは、陳明さんとともに2人だけ、ベスト10に入ったポスト80だ。彼女は、他の同年齢の人と同じく夢を持っていると言い、それは医者になることだという。そして、やや老成したような口ぶりで「人生はままならないものね」とつぶやいた。

中学受験の失敗が、許さんの夢を砕いた。だが、気落ちしていたのはわずか2カ月だった。「私は立ち直りが早くて説得されやすいの」という彼女は、その後、上海医薬学校で漢方薬学を学んだ。「伝統的な中国医学の奥の深さに夢中になったわ」という彼女だが、卒業後は上海宝島大薬局店に入り、3年余りの間ずっと西洋薬と「仲良く接して」きたという。

相対的にいえば、この世代の若者は順調に、穏やかに成長してきている。幼年期も少年期も、その祖父母や両親の世代のような波乱万丈の時代ではない。しかし、親の世代が享受してきた医療、教育、住宅などの福利厚生は、彼らにとっては「遠い遠い昔」にあった伝説にすぎない。卒業しても多くの人が、定年退職するまで勤められるような会社を見つけられず、社長に「クビ」にされずとも社長に見切りをつけたり、やむなく安月給を受け入れたり、住宅価格の「高騰」に戦々恐々としたりしている。彼らの多くは結婚、就職年齢に達しており、強いプレッシャーや軋轢(あつれき)を感じている。

成功と成長

ポスト80の夢が生活の中のプレッシャーで押しつぶされそうになったとき、夢を現実の中で輝かせた人もいる。ポスト80が文筆活動で富を築くようになったあと、「プチ」百万長者が静かにビジネス界で頭角を現してきた。李想さんはその代表的な人物の一人だ。

12歳のときからパソコンに接し始めた李想さんは、高校時代に自ら“ネットフォーラム”を開設した。(当時、彼の最大の夢はジャーナリストになることだった)。

彼の成績はごく普通だったため、高校卒業後、大学進学を断念し、自ら起業することにした。2000年、彼は中国語のIT専門のウェブサイトPCPOPを開設。02年には両親に別れを告げ、故郷の河北省石家荘から北京へ移り住む。その後、人を増やし戦力を整えた結果、広告収入が毎年100%を超す勢いで伸びていった。05年にはPCPOPの営業収入は約2000万元(約3億円)、利潤は1000万元にのぼり、市場価値は2億元となり、李想さんの個人資産は1億元以上に達した。この年、彼は24歳だった。

「他人より5%多く努力すれば、他人から200%の見返りを得られる」。かつてメディアから「李想の法則」と呼ばれた言葉だ。彼はさらにこんな「定理」も献じている。「過ちを恐れるな。怖いのは何もしないこと。あることを正しく行えば5点、間違えれば1点がもらえる。だが、何もしなければ、マイナス点だ」。

03年当時はポスト80の典型のような性格で、自分勝手で他人の気持ちなど考えなかった、と率直に語る彼は、こうも語っている。「こうした身勝手さが多くの教訓を与えてくれて、少しずつ僕を変えていった。頭ではなく、心で他人と意思の疎通を図るよう、試し始めたんだ」。

「正念場を迎えるたび、力強いパートナーがタイミングよく加わってくれた」。04年以前に募集したスタッフは全員が李想さんより年上だし、ポスト60、ポスト70の企業家らは彼のことを弟扱いして、肝心なときには助けてくれた。「きっと誠実に接してきたからだと思う。人間としてこうしたことができてなかったら、今のような財産も築けなかっただろう」と彼は述懐する。

彼はまた、両親にも感謝すべきだとこう語る。「独立心は両親が僕に与えてくれた最も大切な素質。両親は僕を彼らの理想の人物に仕立て上げようとはしなかった」。

「いい時代に生まれたことにも感謝している」と李想さんは、実年齢より大人びた口調で語った。これまでの既存の業種では、ゼロから起業して億を超す財産を手にするまでには数十年の歳月を必要としただろう。だが、インターネット時代には、短期間で富の集中を図れる。「僕らはインターネットという大潮(おおしお)の中の波しぶきになれただけ」と、クールに考える彼は、PCPOPを波しぶきの「泡」ではなく、「百年の老舗」にしたいと願っている。「この長期目標は、短期目標から導き出された」のだという。

  李想さんは、彼がすでに成功していることを否定する。彼がよく使う言葉、それは「成長」だ。
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