顧さんによると、本書の出版は主に仏教文化および少林文化を社会に広めることを目的としており、本書を読んでも決して伝説にあるような、空を飛び壁を走るといった神技ができるようになるわけではないという。
少林寺がウェブサイト店舗を開設したことにより、河南省嵩山に位置するこの有名な仏教寺院は、またもや世論の渦に巻き込まれた。
北京市民の王さんは、少林寺がウェブサイト店舗をオープンさせたことをとても新鮮だと歓迎、サイト上で販売されている少林に関する各種文化逸品に非常に関心があるという。「時間がないので実際に現地に行くことはできませんが、ウェブサイト店舗内で少林ならではの商品を買うことができるのは魅力的です」と語る。しかし一方で、仏教界の代表として、少林寺がインターネット上で商業活動を行うのは好ましくないと認識する消費者も存在する。またあるネット利用者は、少林寺がウェブサイト店舗をオープンさせたのは、インターネットの利便性を利用して、さらに多くの観光客を惹きつけようとしているにすぎないと批判している。
一般市民の疑念、さらには少林寺が電子ビジネスに踏み込むべきか否かとの論争に対し、少林歓喜地有限公司は、ウェブサイト店舗は実際に少林寺を訪れることのできない人々のために開設されたものであり、販売書物・物品を通じ、少林寺を理解してもらうのが目的だと答えている。ちなみにある関係者によると、ウェブサイト店舗の収入の一部は、慈善事業に寄付されるという。
ここ20年間、少林寺は積極的に伝統的中国拳法の伝承に取り組み、「少林学」理念を提唱、少林寺ウェブサイトを開設し、映画とテレビドラマ、舞台作品の制作を支持してきた。さらに少林文化研究所、少林中国拳法業務室、少林寺拳法研究会、少林寺武僧団などを設立している。少林寺はさらに少林書局、少林薬局を開設、古来より伝わる秘技を現代的手法により発掘・整理し、出版公開している。
もっとも、少林寺が主催する数多くの中国拳法大会、あるいは武僧巡演活動はきわめて商業性に満ちており、少林寺はこれまで一貫して一般市民の広い注目を集め、また論争も少なくない。これに対し、少林寺方丈の釋永信師は、これら施設の開設、および各種活動の展開はいずれも「弘法」(仏教を広める)であり、また少林寺にとっての一種の新たな生き残りへの模索であり、また同寺のイメージを示す場でもあると語っている。
釋永信師は、「弘法とは家務であり、利生を事業とする」と語る。少林寺の中心的な目的は、終始変わっていない。
「人民網日本語版」2008年6月26日
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