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中・高校生の「バイトブーム」、下火の理由
発信時間: 2008-08-14 | チャイナネット

夏休み期間中に社会経験を積む中・高校生らの「アルバイトブーム」が下火傾向にある。上海のある高校の統計によると、今年の夏休みにアルバイトをしている生徒数は昨年に比べ、実に63%も減少しているという。これまで学生らのアルバイトを歓迎してきた企業側だが、今年は「学生おことわり」を掲げる会社も少なくない。昨年まで毎年のようにみられた夏の間の中・高校生らによる商品セールス、街角でのチラシ配りなどが、今年に入り街から姿を消している。「文匯報」が伝えた。

これまで「アルバイト」の機会を提供してきた企業側には、一種の「疲労感」がにじみ出ており、アルバイトブームの動力源が不足しているようだ。産業構造の調整により、企業側は現在、調整後の事業体制に見合った人材を必要としており、学生のアルバイトをそれほど必要とはしていない。一方これまで夏休み期間中のアルバイトに熱心だった学生側は、冷たい企業側の対応に、まさに「なすすべもない」状況だ。

ある高校教師らは、ここ数年来の夏休みの「アルバイトブーム」が中・高校生らの社会参加に対する強烈な意欲の表れだとすると、今年の「景気低迷」は、これまでの「アルバイトブーム」が調整段階に入り、自然な状態に戻ったことの表れではないかと認識している。これまで数年にわたり夏休み期間中にアルバイトを続けてきたある男子生徒は、「以前はバイト募集の広告があれば、どんなバイトでもしていました。でも今は自分に合ったバイトだけを選んでいるんです。バイトを『選択』するのと『何でも屋』は違います」と語っている。昨年、この生徒は果物の販売に精を出したが、今年はある企業の製品市場調査アルバイトに応募したという。このようなアルバイトこそより自身を高めることができ、得るものも大きい、と彼は認識している。

また、一部の親の間では子供のアルバイトを引き留める現象が生じており、これもまた高校生らの「アルバイトブーム」が下火になっている原因だ。学生の間に苦労をするより、子供達により「幸せ」な生活を過ごしてもらいたい、と願う親も少なくない。

一部の教育専門家は、現在の中・高校生の間には、より自分の自由意志に沿った夏休みを過ごしたいという思いが広がっていると分析する。しかし中・高校生にも社会経験を積む必要があり、積極的に彼らを後押しするべきであるが、どんな仕事を選ぶかについては、真剣に考える必要があると説く。すなわち、「アルバイト」は単なる「小遣い稼ぎ」ではなく、自己鍛錬、見識を広げるといったメリットがある。親は子供がアルバイトに就く前に積極的にサポートし、アルバイト中は子供に関心を払い、アルバイトを終えたとき、「仕事への熱意」を「成長の源」に変える必要があると指摘している。

「人民網日本語版」 2008年08月13日

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