自宅で営業し、毎晩1テーブルの客しか受け入れない。主人が出す料理だけを食べ、主人がかけるBGMだけを聴かなければならない。こんな風変わりなルールの隠れ家的料理店が、驚いて客が逃げ出すどころか、予約の順番待ちでいっぱいだという。「重慶晨報」が伝えた。
毎月の収入は軽く1万元を超すと自己申告する、この「史上最も頑固な隠れ家的料理店」は、重慶市上清寺中山四路の普通の集合住宅内にあり、常連の案内なしで見つけるのは困難だ。店のホールは20平方メートル足らず。店主は客たちから親しみを込めて「標兄貴」と呼ばれている。広東省出身で10数年前から重慶に暮らし、料理店は2年前に始めた。料理は美味しくて斬新と評判だが、店のルールは風変わり。客は自分でメニューを注文できず、主人が選んだBGMに文句も言えない。
店主の劉標さんによると、毎晩1テーブル分、8~12人の客だけを受け入れる。腕前を堪能してもらうため、2週間前の予約が必要。「市場で最も新鮮な食材がインスピレーションを与えてくれます。原則として、最も新鮮でみずみずしい食材だけを使います」。1人60~100元を目安に、盛りだくさんのディナーを準備する。野菜料理は当日の野菜市場で仕入れた野菜を見て決める。四川料理、広東料理、西洋料理の要素を融合した料理だ。厨房も10平方メートル足らずだが、毎月の収入は1万元を超える。「午後3時から慌ただしく取りかかり、3時間後にはテーブルに料理を並べます。仕事は決して大変ではありません」――。
水とお酒以外の飲み物を出さないのは料理の口当たりに影響しないように、BGMに文句を言わせないのは、隠れ家的料理店の独特の雰囲気を守るためだという。客たちはみな「標兄貴」の腕前を一流と褒め称え、自分たちが注文するのは余計なことだと言っている。
「人民網日本語版」 2008年09月01日 |