タトゥーを入れた人を見たことのある人はいても、タトゥー入りの豚を見たことのある人は少ないだろう。ベルギーの芸術家、ヴィム・デルヴォワイエ(Wim Delvoye)氏は、子豚の体にタトゥーをほどこした。子豚の成長にともない、この芸術作品もまた成長を続けている。今月9日、この豚は上海展覧センターで開かれる現代アート展にお目見えする。同作品の名前は「芸術農場」。タトゥーを入れられた8頭の生きた豚のうち、2頭にはルイ・ヴィトンの「LV」デザインが施されている。「新聞晨報」が伝えた。
▽北京で飼育、論争の的に
この信じられない作品を携えて上海のアート展に参加するのは北京にある新北京画廊。画廊関係者によると、デルヴォワイエ氏は欧州でも最も最先端を行く現代アートの第一人者のひとりであり、人々の常識を覆すような作品で注目と論争の的となってきた。「芸術農場」は彼が中国本土で手掛けた作品のひとつだ。ここ数年、彼は北京近郊の農場に欧州産の輸入豚の飼育を依頼し、豚たちの体に欧州テイストのタトゥーと中国スタイルのタトゥーを施した。デルヴォワイエ氏によると、彼が子豚たちの体に施したタトゥーは、豚たちの成長と共に「成長」を続け、非常に興味深い変化をみせるという。
これらのタトゥー入りの豚たちは、ベルギーの芸術家達が開催した展覧会でデビュー。昨年北京でも展示され、大きな反響を呼び起こした。うわさがうわさを呼び、会場は押すな押すなの行列となった。だが一方で、「これは芸術でも何でもない」との論争・批評もある。