インターネット上ではここ数年、子どもの姓に関する論争がたびたび繰り返されている。70年代から80年代に生まれた最初の一人っ子世代が結婚・出産のピークに入り、父母の両方が一人っ子であることから、次の世代がどちらの姓を名乗るかという問題が起こっているのだ。「華西都市報」が伝えた。
有名な遺伝学専門家である復旦大学の盧大儒・教授はこれに対し、遺伝学の立場から、「男の子は父親の姓を名乗り、女の子は母親の姓を名乗ればいい」という意見を出している。「出産時に男子と女子のどちらが生まれるかがわからないのと同様、次の世代への姓の継承もランダム化すれば、科学性と公平さが同時に実現できるし、『女の子を産んで男の子を産まないのは家系断絶だ』といった考え方をなくすこともできる」との持論だ。
盧教授によると、人間の体の中にあるミトコンドリアDNAは母方から受け継がれたものであり、これは母と娘の直系によって代々受け継がれていく。祖母から母親へ、母親から娘へ、娘から孫娘へといった具合だ。つまり、ミトコンドリアDNAは母系の祖先と共通している。また女子が父親の姓を名乗るとすれば、この姓は次の代には伝わらなくなるため、継承という観点からはあまり意味がない。もしも女子が母親の姓を名乗れば、母系の姓としてずっと継承していくことができる。
盧教授は、自らの提唱する姓の継承方法には、ランダム性と科学性という長所があると語る。さらに子どもの側も、父方と母方のどちらからも自らの祖先をたどることができるようになる。従来の姓継承方法に「母系姓の継承」という考え方を組み込めば、男女の出産と同様のランダム性が可能となり、「姓の代々の継承が女性でも可能だ」という理念を普及させ、男尊女卑のような考え方を薄れさせることができるという。
「人民網日本語版」2008年10月23日 |