現在国内の学生の間で起こっている「英語重視、国語(中国語)軽視」の現象に対し、天津市国学研究会の副会長で、南開大学の艾躍進・教授は、国語教育の重要性を呼びかける。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中国語は世界で一番多く使われている言語だ。現在世界各国で中国語を自ら進んで学ぶ人がどんどん増えている。外国人の中国語能力を測る「漢語水平考試(HSK)」はすでに国際的に認められ、「中国のTOFLE」といわれている。
「こういった世界的な状況に相反し、国内の国語能力の育成と向上が見落とされている」と艾教授は指摘する。「国内には英語4級と6級の検定があって、4級を取得できなければ卒業できないが、国語能力が低くても卒業証書は取得できる。多くの大学生は国語の勉強に熱心になる必要はない。アナウンサーや国語教師といった職業を目指す専攻以外は、通常は国語の試験などない。大学で英語重視、国語軽視の現象が起きている原因は、大学の国語教育の重要性に対する認識に誤りがあり、これまで大学の国語教育は学生の読み書きを高める道具として認識されてきたからだ」。
今のうちに「言語は道具でしかない」という概念を変えなければならない。大学生は高校の基礎の上に文学作品に親しみ、自分でも作品を書ける力を養い、大学側は伝統文化・ヒューマニズムの精神・民族精神の教育に力を入れ、言語教育を教育の全過程に貫く一つのステップにしていかなければならない、というのが艾教授の意見だ。
艾教授は、「言語は非常に役立つもので、人生を豊かにしてくれる。言語教育に力を入れることで、中国文化に対する自信、自身の能力に対する自信がつく」と強調する。
「人民網日本語版」2008年11月12日 |