「別れよう」。卒業式の前夜、突然この携帯メールを受け取った華中科技大学4年の香さんはこらえきれずに泣き出した。「もうすぐ深センに行って働くことを切り出すと、彼はずっと黙ってた。別れようと思ってたなんて」。香さんのボーイフレンドの張さんは家族が早々と地元の武漢に条件のいい仕事をみつけていたが、香さんは3年かけて培ってきた愛情でこの壁を乗り越えられると信じていた。その矢先のことだ。
数多くのカップルが卒業を間近にこうして静かに結末を迎える。中国青年報・社会調査センターと新浪網(SINA)新聞センターが共同で2149人を対象に行った調査でも、61.7%が卒業前に別れた人が身近に「たくさんいる」と答え、32.7%が「いることはいる」とし、「少ない」と答えたのはわずか4.7%だった。調査で69%が卒業前に別れるのはいたって普通だと答え、普通ではないと答えたのはわずか10.6%だった。
矛盾を解決する最適の方法は面と向かって話し合うことだが、実際にはこれが遠距離恋愛のカップルに最も欠けていることだ。本来ならハグや視線で解決できる問題でも、距離があるばかりに問題と化し、それが積もりに積もって溝が深まり、絆の強かった愛情が次第に蝕まれ、最終的には空間的な距離が心の距離へと変化していく。「遠距離恋愛」にとって何が一番の障害となるのか?順番に▽79.1%が両親と友人による(あきらめるようにとの)説得▽57.7%が「将来に対する不確定さ」▽57%が距離によってすべての情熱が燃え尽きる▽38.8%が周囲の誘惑??となっている。
一方、愛情が試されるのは距離だけではない。「卒業後カップルがすぐに別れる最大の理由は何か」という問いかけに対し、▽仕事など現実的なプレッシャー(73%)▽将来別々になる不安と恐怖(44.3%)▽家族の影響を無視できない(35.6%)▽異なる経験が二人の信頼と意思疎通に大きな影響を与える(29.6%)??といった回答があった。
仕事などの重圧を前に、人はパンと愛情のどちらを選択するのか?今回の調査では、生存が何よりも重要だとしてパン(仕事)を選択した人が34.5%、生命は貴いが、愛の価値はより高いとして愛情を選んだのはわずか3.8%だった一方、二人で共に頑張ればすばらしい未来が待っていると52.2%の過半数以上は仕事と愛情の両立を望んでいることがわかった。
「人民網日本語版」2009年2月12日 |