北京五輪のメーンスタジアム「鳥の巣」(バード・ネスト)のネーミングライツ(施設命名権)をめぐって激しい競争が繰り広げられている。あるメディアによると、当初は国内外の著名企業10社以上がこの競争に参加し、聯想集団(レノボ)、コカ・コーラ、アディダスが有力候補にあげられていた。業界関係者の話では、最終的にネーミングライツは年間7千万元で、スポーツ用品メーカーのアディダスが獲得する見通しだというが、まだ関係部門から明確な発表は出ていない。
「鳥の巣」の運営権をもつ中信連合体は30年間の運営期間中、通常の運営費用として30億元以上の投資が必要で、さらに「鳥の巣」の建設費用35億元も加えると、30年間で65億元近くの投資を回収しなければならない。
オリンピック公園管理委員会の担当者は、「スポーツイベントや見学チケットなどの収入だけでは基本的にスタジアムの正常な運営を維持できない」と話す。「鳥の巣」の運営費用は年間約1億5千万元とされる。「鳥の巣」は北京の観光スポットとして、昨年10月の国慶節からこれまで308万人の観光客が訪れた。チケット1枚50元で計算すると、観光による総収入は1億5400万元。責任者によると、観光収入は現在最大の収入源となっているが、今後イベントも開催し主な収入源にしていきたいという。
イベントや観光収入のほかに、ネーミングライツの売却も「鳥の巣」が生き残るための良策と考えられている。北京体育大学教授で、北京五輪経済研究会の林顕鵬・常務理事は以前、「鳥の巣」にしても、「水立方」(ウォーターキューブ)にしてもネーミングライツによる収入がなければ、赤字は避けられないと指摘。「イベント開催で儲けるのは無理。観光収入もそれほど長くは維持できない。ネーミングライツの売却は国際的にもよく見られる。またロイヤルボックス席も収入につながる。ただ現在『鳥の巣』では国内リーグが少ないため、「定期イベント」が不足している。これが解消されれば、150席のロイヤルボックスやネーミングライツから高収入が得られる」と話す。
「人民網日本語版」2009年2月25日