「我が国の新型インフルエンザ流行の勢いは若干落ち着きつつあるものの、依然流行の波があり、重症あるいは死亡例が出る状況は避けられない」。中国疾病予防抑制センターの楊維中・副主任は9日、新型インフルエンザ流行状況についてこのように述べた。
今月7日現在、中国大陸部の計26省・自治区・直轄市で累計2264人の新型インフルエンザ患者が報告されており、完治した人は2122人、今のところ重症あるいは死亡例は報告されていない。しかし同副主任によると、患者数の増加に伴い、大陸部で重症あるいは死亡例が出る可能性があるという。
同副主任はまた、「たとえ近い将来国内で重症あるいは死亡例が出たからといって、新型インフルエンザの特性に重大な変化が現れたと判断するわけにはいかない。新型インフルエンザがより深刻化したかどうかは、このウイルスの致死率や耐薬性に明らかに重大な変異があるかどうか、実験室でのデータや症状などを総合的に判断する必要がある」と強調した。
同副主任によると、今月6日現在、全世界で報告された新型インフルエンザ患者は累計16万人以上となり、死亡例1154人、致死率0.7%となっている。致死率には地域別でやや差異がみられ、平均幅は0.1-0.9%。しかし、多くの軽症例は報告されずに統計がないため、新型インフルエンザの実際の致死率はそれほどでもなく、一般的な季節性インフルエンザに近いと考えられる。
「人民網日本語版」2009年8月10日 |