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新型インフルが季節性に取って代わる?WHOは北半球諸国に注意を喚起
発信時間: 2009-08-21 | チャイナネット

新型インフルエンザがいまだ世界的範囲で広がっている。世界保健機関(WHO)が19日に同公式サイトで発表した最新の統計データによると、新型インフルエンザは170余の国・地域に広がっており、感染者数は18万人を超え、死者は1799人となった。アルゼンチン、オーストラリアなど南半球諸国では、インフルエンザ患者の70%がH1N1ウイルスに感染しており、北半球では新型インフルエンザが秋冬の季節性インフルエンザに取って代わる可能性もあると見られている。WHO事務総長の陳馮富珍(マーガレット・チャン)女史はこのほど、「当面、疫病の拡大状況はやや落ち着いてきているが、北半球がこれから秋冬を迎えるのにともない疫病の状況はさらに悪化する可能性がある」と指摘した。

南半球はインフルエンザが多発する冬季に

南アフリカの諸国は現在、インフルエンザが多発する冬の季節である。アルゼンチン、ブラジルでの疫病状況は特に深刻である。アルゼンチン衛生省が8月中旬に発表した報告によると、インフルエンザ患者の93.3%がH1N1ウイルスに感染している。ブラジルのH1N1感染者は77%に達した。

オセアニアについては、冬季であるオーストラリアも同様に、新型インフルエンザと季節性インフルエンザが同時に発生するという状況に直面している。豪衛生省の統計データによると、インフルエンザ患者の80%がH1N1ウイルスに感染している。同衛生大臣のロックソン氏は「疫病のピークに達したとはまだ言えない」と話す。

アフリカ 感染例の激増に大いに警戒

新型インフルエンザがこのごろ、アフリカでも拡大を続けている。確認された感染例は増加し続け、すでに1469例に上り、死者も出た。アフリカの感染予防の経験や資金の不足を考慮し、WHOを含む各方面はアフリカでの新型インフルエンザまん延を懸念している。アフリカ訪問中の陳馮富珍女史は19日、「世界のほかの地域よりアフリカの確認症例はそれほど多くないが、今後の数週間から数月間で激増するかもしれない」と注意を喚起した。

北半球の諸国は積極的に対応

 WHO西太平洋地域事務所のジョン・ラルキン報道官は、「北半球の諸国では、今年の秋冬に新型インフルエンザが季節性インフルエンザに取って代わるかもしれない」と述べる。

南半球の状況をかんがみ、CDC(米疾病対策センター)は、同国で第二次流行が発生するという予測を打ち出した。米国国立衛生研究所(NIH)の専門家によると、当面は第二次流行が深刻化するかどうか判断できないが、1957年と1968年のインフルエンザ大流行は第二次から悪化している。

当面、ヨーロッパ諸国にとって新型インフルエンザの影響はそれほど大きくない。ワクチン接種の準備も整っている。世界保健機関の報道官は「ヨーロッパにとって、新型インフルエンザの流行はまだ始まりにすぎない」と述べる。ヨーロッパ諸国が現在迫られていることは、ワクチン接種の順番を決めることであろう。

アジアにおいては、8月に日本で新型インフルエンザ感染者が激増し、3人の死者も出ている。日本は「新型インフルエンザの流行期に入った」と正式に発表した。日本の伝染病研究所によると、日本の全土で新型インフルエンザ発生の可能性があるという。9月の新学期をきっかけに、大規模な流行となる可能性も高い。日本の製薬会社やマスクメーカーは増産の準備を整え、マスクを長時間使用するための消毒噴霧器や子供向けのフルーツ味のマスクを開発した企業もある。

ワクチン販売初期は供給が需要に追いつかない恐れも

中国は8月18日に世界で初めてとなる新型インフルエンザの臨床試験を終えたことを発表し、米国が製造した新型インフルエンザ用ワクチンでも動物実験での効果が確認された。シンガポール「聯合早報」紙の20日付の報道によると、世界保健機関は、北半球の諸国が発注した新型インフルエンザ用ワクチンは10億人分を突破したが、ワクチンの販売初期で供給が需要に追いつかない恐れもあることを明らかにした。

日本厚生労働省によると、日本は5300万人分のワクチンを用意するつもりだが、年内の生産能力は1500万人分だけで、その不足分は緊急輸入の形で補うことを検討している。

「チャイナネット」 2009年8月21日

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