中国自動車技術研究センターはこのほど、自動車から歩行者を保護するための基準が自動車基準委員会による審査を通過し、2010年末までには認可を取得して非強制的な国家基準となることを明らかにした。2013年から実施される国際的な歩行者保護法規に採用される可能性もある。また中国初となる歩行者保護に向けた衝突実験も行われた。
中国では2005年以降、道路交通事故はある程度減少してきているものの、交通事故による死者数に占める通行人の割合は常に26%前後と高い。中国自動車技術研究センターの趙航主任によると、ここ数年自動車の安全設備の搭載率は非常に高くなっているが、主に乗員保護が中心で、歩行者や自転車に乗った人への保護はなされていない。こういった背景のもと、歩行者保護に向けた衝突実験が日程を繰り上げて実施された。
中国の歩行者保護研究チームは05年から2年半、中国の歩行者保護基準の起草・作成を技術的にサポートするため、北京・南京・寧波などの各都市で自動車による歩行者衝突事故に関する200以上の基礎的なデータを集めてきた。さらに今年3月、同センターはフランスの装置メーカーBIA社の衝突実験システムを導入、組み立て・調整および操作に成功した。関連基準の作成に技術的な基礎を固める役割が期待される。自動車基準委員会の審査を通過した中国歩行者保護基準の申請はすでに次の段階に入り、2010年末には認可を取得する見通し。
「人民網日本語版」2009年8月25日 |