衛生部はこのほど初めて、中国住民の健康素養調査結果を発表した。これによると、中国都市・農村部の住民全体で、健康的素質を備えた人の割合は6.48%と、健康な人は100人中7人にも満たないという事実が判明した。3つの具体的指標別で見た、健康的素質を身に付けた人の割合はそれぞれ、(1)健康に関する基本知識と理念を備えている(14.97%)、(2)健康的なライフスタイルを持ち、それを実践している(6.93%)、(3)健康に関する基本的なスキルを身につけている(20.39%)だった。
衛生部は2008年1月、「中国公民健康素養-基本知識と技能(試行案)」を発表した。これは、政府が健康に関する国民の基本素質の内容について定めた世界初の文書となった。「健康素養」とは、個人が健康に関する情報を入手・理解し、これらの情報を用いて自身の健康維持能力を保持・向上する素質のことを言う。
調査結果によると、慢性病に関する住民の素養が最低レベルで、基本医療に関する素養がそれに次いだ。専門家は、現在の国内における主な衛生問題に基づき、科学的健康観、伝染病予防、慢性病予防、安全と救命救急、基本医療の5つの健康問題に関する素質に対して現状分析を行った。これによると、5つの健康的素質を、各素質を備えている中国人の割合が高いものから順に並べると、科学的健康観(29.97%)、安全と救命救急(18.7%)、伝染病予防(15.86%)、基本医療(7.43%)、慢性病予防(4.66%)となる。
住民の健康的素質レベルは、都市・農村間および地域間でかなりの隔たりが見られた。今回の調査によると、都市部住民の健康的素質レベル (9.94%)は、農村部住民(3.43%)より明らかに高かった。地域別でも、東部地域(7.03%)、中部地域(7.67%)、西部地域(5.23%)と各地に差が見られた。
年齢層55--69歳の健康的素質レベルが比較的低かった。調査によると、健康的素質レベルが最低だったのは65?69歳(3.81 %)で、55?64歳がこれに続き4.69%だった。高齢者は健康レベルが低く、各種疾病にかかりやすく、特に慢性病の悩みを抱える人が多い。高齢者の健康問題をより重視し、彼らの自己健康力を高め、中国の高齢化ニーズに対応していく必要がある。
「人民網日本語版」2009年12月21日 |