国の監査部門がこのほど発表したところによると、河北省唐山市への移転を進めている新しい首都鋼鉄集団(首鋼)の新規建設プロセスが、北京市と唐山市の環境の質を効果的に改善し、渤海湾海域の環境圧力を軽減する上で、重要な役割を果たしている。中国新聞社が伝えた。
2005年以降、首鋼を含む汚染度の高い一連の企業が、北京市政府の調整移転プランの対象に組み込まれるようになった。同年に首鋼は唐山鋼鉄集団(唐鋼)と共同で首鋼京唐鋼鉄公司を設立し、これが事実上の「新しい首鋼」となった。この後、首鋼は移転作業を開始した。
北京五輪の開催期間中、首鋼は北京市内にある主要鋼鉄生産を一時停止する。五輪閉幕後には、同市内にある800万トンの生産能力を漸次削減し、2010年をめどに完全に操業を停止する予定だ。河北省は新首鋼を受け入れるため、年間生産能力730万トンに相当する小型鉄鋼企業35社を閉鎖・操業停止とする方針だ。
こうした動きにより、北京市内の空気中の浮遊粒子状物資(SPM)約1万8千トンを削減することが可能で、これは同市内のSPM総量の約23%に相当する。また唐山地区の粉塵・煤塵2万3千トン、二酸化硫黄2万4千トンを削減できる見込みだ。
ある監査調査によると、新首鋼は一連の新技術を導入したことを受けて、省エネ・汚染物資排出削減の各項目の指標がすべて、国際的な先端レベルに到達した。汚水の「ゼロ排出」も基本的に達成しており、鉄鋼生産の廃液や石炭ガスの回収・利用、余熱を利用した海水の淡水化などを通じて、エネルギー消費を減らし、汚染排出圧力を軽減し、生産コストを引き下げることに成功している。
首鋼の移転先は河北省曹妃甸工業区。新工場は臨海地域に建設され、曹妃甸の大型深水港にほど近く、土地資源や交通資源を大幅に節約することができる。
「人民網日本語版」2008年7月8日 |