(1)経済発展の分水嶺に非ず
2008北京国際プレスセンターで17日、北京五輪と中国の経済発展との関連についての記者会見が行われ、国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴副院長をはじめとする専門家が、状況を説明し質問に答えた。
北京五輪と中国の経済発展との関連について、王副院長は「五輪がもたらした経済や投資の伸びが中国の経済・投資全体に占める割合は小さく、五輪は中国の経済発展の分水嶺にはなり得ない」と述べた。王副院長の発言の主な内容は次の通り。
2008年は北京五輪開催の年であり、また中国の経済発展が新たな周期的調整に入った年でもある。ポスト五輪期には、プレ五輪期にあったようなスポーツ競技場や関連のインフラ施設の建設による大規模な投資ニーズ、五輪開催期間中に国内・海外からの観光客がもたらした巨大な消費ニーズは縮小するか、短期間に消滅する可能性もある。だが過去30年にわたり中国経済の持続的急成長を支えてきた基本的なエネルギーは変わらない。五輪がもたらした経済・投資の伸びが中国の経済・投資全体に占める割合は小さく、五輪は中国の経済発展の分水嶺にはなり得ないし、経済の安定的で急速な発展情勢を変えることもなく、経済成長の潜在力や経済発展の基本的側面に影響することもない。
(2)プラス影響を拡大すべき
王副院長は記者会見で、五輪は中国の発展にチャンスをもたらしたと同時に、経済発展への課題ももたらしたと指摘し、次のように述べた。
グローバル経済環境の大きな変化、経済成長を牽引する要因としての外需の力の弱まり、中国経済の周期的減速などに伴い、中国の経済情勢に対する国内・海外の両面からの不確定要因が増大した。経済の持続的急成長は周期的な調整と経済モデル転換による圧力に直面すると同時に、今後は「ポスト五輪効果」の影響もある程度受けることが予想される。このため、経済発展に対する五輪のプラス影響を積極的に拡大するとともに、生じる可能性のあるさまざまなマイナス影響に効果的に対応していくことが必要になる。
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