中国の近代化からすると北京五輪は、一つのきっかけであり、一つの「加速装置」だ。北京五輪組織委員会の高級顧問である魏紀中氏は、「『グリーンの五輪』は、人々の環境保護意識を高め、政府の資金投入の拡大も促進するだろう。『科学技術の五輪』は、革新型の国を作る原動力となった。またボランティア活動は、公民社会の成熟につながる」と、五輪が北京にもたらした精神的な遺産は価値が下がらないと語る。 国連の馬和励・駐中国協調代表は、「今後の中国の最大のチャレンジは、持続可能な発展を遂げることができるかどうかだ。中国は『グリーンの五輪』を開催したが、これを機会に『グリーンの中国』になることを希望する。中国はすでにこのチャレンジに対応する決心を表した」と、中国は省エネの面で、世界でもきわめて困難な目標を定め、最大の気迫を表した。 北京市環境保護局の杜少中副局長は、五輪後も北京の環境保全の挑戦は終わっておらず、より厳しい環境保全の措置を実行するとしている。 これからの中国の発展の過程には、チャンスだけでなく挑戦も待ち受けている。中国経済に対する五輪の影響は極めてわずかだが、五輪後の経済は確に注目すべき肝心な問題に直面しており、その中でも米国のサブプライム問題の蔓延により、中国経済の外部環境がより複雑なものとなり、国際的にエネルギーと原材料価格の高騰で、中国企業と住民がインフレのリスクに直面するだろうと専門家は指摘している。 五輪期間中、四川大地震の被災地では、数千万人の被災者が仮設住宅に移り住み、地震から100日目を迎えた8月19日には、各地で追悼式典が行われた。しかし家の再建や今後の生活、心の回復は長い時間が必要で、引き続き注目し努力することが必要だ。これは中国にとって厳しい挑戦である。 「鳥の巣」の聖火台に灯された五輪聖火は消えた。しかし五輪は、まだ中国からは遠ざかっていない。中国五輪組織委員会の何振梁名誉主席は、「五輪の影響は今後の中国にとって全面的だが、それがどれほど大きいかは、6年から8年経ってみないと分からない」と話す。 「チャイナネット」2008年8月25日 |