北京五輪中国選手団の劉鵬団長は24日北京五輪メーンプレスセンターで開かれた記者会見で、中国選手団全体の成績について、「これまでに終了した競技において、中国選手は各々の使命を良く達成し、抜群の成績を収めた。一方で、世界のトップレベルの選手との明らかな距離も認識し、問題点と不足点を直視し、驕らず焦らず、なお努力を重ね、中国スポーツが持続可能な発展を全面的に続けるよう促していかなければならない」と表明した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。 (1)「クリーン」な百枚のメダル 劉団長は「北京五輪は中国選手が初めて自分の祖国で参加した五輪。中国選手は計639人が28競技262種目に参加し、各々の使命を全般的に良く達成した。中国選手団は厳格な反ドーピング政策を堅持した。中国選手は規定に従いドーピング検査を受け、陽性を1人も出さず、『クリーンな試合』の目標を達成し、五輪運動のクリーン性と国家の名誉を守った」と述べた。また、中国選手が積極的で進取に富む堅忍不抜の精神、文明的なマナー、そして情熱的で友好的な望ましい姿を示したことを称賛した。 (2)得意種目を維持、新星も活躍 中国選手団は23日までに金メダル49枚、銀メダル19枚、銅メダル28枚を獲得し、4つの世界新記録を打ち立てるなど、過去最高の成績を収めた。メダル獲得種目数は、アテネ五輪は18競技55種目だったが、今回は20競技81種目。8位以内に入賞した種目数もアテネ五輪は23競技107種目だったが、今回は25競技126種目に増えた。また、13種目で初めて金メダルを獲得した。
劉団長は、中国は全般的に見て、伝統的な得意種目で優位を保ったと分析する。重量挙げ、体操、飛び込み、卓球、バドミントン、射撃、女子柔道で、全体の80%にあたる39枚の金メダルを獲得した。隠れた得意種目や苦手種目もいくらか進歩し、歴史的な快挙を上げた種目もあった。アーチェリー、セーリング、トランポリン、ウィンドサーフィン、体操女子団体では初の金メダルを獲得した。女子ホッケー、男子バレ、女子ビーチバレーなども過去最高の成績を上げた。女子バスケは16年ぶりに4位入賞を果たした。 劉団長は「ベテラン選手が堅固な意志、大試合での豊富な経験、余裕ある落ち着いた心構えで競技人生に新たな輝きを添えたほか、若手選手も強豪を恐れず、勇敢に戦い、中国スポーツ界の新鋭軍に成長してきている。中国がこれまでに獲得した金メダルのうち、25枚は五輪初参加の若手選手によるもので、団体種目のうち4枚も彼らが主力になった」と述べた。 (3)なお大きな開き さらなる努力を 劉団長は「北京五輪は記憶に残るハイレベルなスポーツの祭典となった。全世界の最も優れた選手による素晴らしいパフォーマンスと優れた成績は、人々に深い印象を残した。フェルプスは8枚の金メダル、7つの世界新という成績で五輪の歴史に残る奇跡を創造し、ジャマイカのボルトも3種目で世界新を樹立し、多くの金メダルを獲得した。23日までに計43種目で世界新が生まれた。こうしたずば抜けた成績は北京五輪に輝かしいハイライトを添えた。これらは世界競技界の急激な発展と急速なレベル向上の反映であり、私たちの視野を広げ、貴重な啓発と学習をもたらした」と述べた。 劉団長はまた「中国選手団は良い成績を上げたが、私たちは冷静さを保たなければならない。私たちと今回の五輪での各国・地域の選手のハイレベルな競技水準を比べると、まだ相当な開きがある。例えば社会的な影響力が大きく、人気も高いチーム球技を見ると、今回中国は一定の進歩はあったが、世界の強豪チームと比べ全般的に競争力が劣っていた。陸上、競泳、自転車といった種目では、中国は精彩を欠き、世界の強豪チームとの間に大きな開きがあった。米国はメダル獲得数で依然大きく優位にあり、欧州各国、米国、オーストラリアは陸上、競泳、自転車、ボート、チーム球技で、アフリカは中長距離走で非常に抜きん出た実力があり、中国とは相当大きな開きがある。中国は一部の種目でメダルを獲得したが、全体的な厚みと勢いに欠け、種目構成がアンバランスだ。また、競技人口の基盤が先進国と比べまだ薄弱で、基礎的なスポーツ施設や日常的なスポーツ人口でも大きな開きがある。これらは今後中国スポーツ界が発展させるべき方向だ」と指摘した。 「人民網日本語版」 2008年08月25日 |