オリンピックは政治制度、イデオロギー、人種、文化、宗教の違いを超えたもので、人々が一つの空、一つの五輪旗の下で「より早く、より高く、より強く」を目標に努力するスポーツの祭典だ。過ぎ去った十数日間、全世界が北京に注目し、このスポーツの祭典を楽しんだ。北京は高水準の五輪開催に成功したことで人々の心に残るだろう。 世界が注目 イギリス「ガーディアン」紙は、北京五輪が世界から幅広く注目されているため、イギリス放送協会(BBC)の五輪中継チャンネルの1日当たりの視聴率は27.7%となり、その他のメディアを上回っただけでなく、ここ2年間のこのチャンネルの最高視聴率を記録した、と指摘。また、米NBCの1日当たりの視聴人口も3000万人近くになり、シドニー五輪とアテネ五輪を超えたという。 五輪開催期間中、北京オリンピック国際放送センターの生中継は04年アテネ五輪より2000時間多い5400時間となった。また、国際オリンピック委員会(IOC)が新しいメディア(インターネット)に中継権を販売したのは五輪史上これが初めてだ。 北京オリンピック委員会とIOCによると、五輪開催期間中、ピーク時の視聴人口は112年の歴史をもつ近代オリンピックでは最高の40億人に上り、内外記者も4万人となったという。 世界各地から積極的に参加 オリンピックは世界最大規模のスポーツの祭典だ。204カ国・地域から選手、コーチ、審判員1万人余り、各代表団関係者、ジャーナリスト7万人が北京五輪に参加した。このほか、海外や中国国内などからの観光客もそれぞれ50万人と200万人に及んだ。 ロイター通信は、1万6000人の選手や随行者が宿泊したオリンピック村について「オリンピック村の住民はナウル全土の人口よりも多い、とナウルの選手が驚いていた」と報道している。 共同通信は「日本は総勢570人に上る史上最大規模の代表団を北京五輪に派遣した」と報道。海外メディアは、日本のほかにもシンガポール、南アフリカ、リトアニア、スペイン、エジプト、ベネズエラなど多くの国が史上最大規模の代表団を派遣したことに注目した。 スウェーデン「エキスプレッセン」紙は北京五輪の開幕式について「80カ国から国家元首、政府首脳、王室代表、政府要人が8月8日に開かれた北京五輪の開幕式に出席した。これは現代オリンピック史上前例のないものだ」と評価している。
世界最高水準の競技 オリンピックは世界で最高レベルのスポーツ競技だ。選手が最も多いだけでなく、レベルも高い。北京五輪で数十の世界記録が塗り変えられたことはこれを十分に示している。 アメリカのフェルプス選手は国家水泳センター「水立方」で7つの世界記録を破り、8個の金メダルを獲得し、五輪史上金メダル獲得数が最も多い選手となった。 AFP通信は「オーストラリアのイーモン・サリバン選手とフランスのアラン・ベルナール選手が短い数日間に3回にわたって競泳男子100メートル自由形の世界記録をマークした。オーストラリアのステファニー・ライス選手も3個の金メダルを獲得し、三つの世界記録を更新した」と報道。 五輪競技では、ジャマイカのボルト選手が陸上男子100メートル、200メートルで世界記録をマークした。これについて米「ニューヨークタイムズ」紙のウェブサイトは、ボルトが樹立した世界記録は「人類が極限を超えるための新たな手本を打ち立てたもの」と報道。 AFP通信の報道は、北京五輪に参加する200余りの国・地域のうち、メダルを獲得できるのは約30%だと予想していた。しかし、22日現在、メダルを獲得した国・地域は85となった。そのうち、モンゴル、トーゴ、アフガニスタン、タジキスタンのチームがそれぞれ初の金メダルやその他のメダルに輝き、歴史的突破を達成した。 世界から幅広く称賛 各試合の進行につれて、北京五輪の組織活動は世界からの認可を受けるようになった。多くの海外メディアは「中国は五輪の準備活動で『メダル』を獲得するはずだ」と称賛した。 IOCのロゲ会長はフランス人記者の取材を受けた際、「北京五輪は円滑に進んでおり、交通手段も時間通りだし、オリンピック村は環境が美しく、競技の中継放送もそつがなかった。これらの面から言えば、北京はこれまでの一部の五輪開催都市を上回った」と高く評価した。 IOCのサマランチ終身名誉会長は「北京オリンピックは大きな成功を収めたと思う。私は開催国に心からの祝福を表すとともに、選手たちに祝意を送る」と語った。 VOAのウェブサイトは、各国の選手、記者が競技の組織業務、選手のレベル、競技施設、セキュリティ業務、交通運輸、観衆の言動を高く評価している、と報道。 ブラウン英首相は北京五輪閉幕式に出席する前に、「中国政府と人民は盛大かつすばらしいオリンピックを成功裏に開催した。世界各国の人々の夢が北京で叶い、中国の選手たちも優れた成績をあげた」と述べた。 「北京週報日本語版」より2008年8月27日 |