二、古代の楽曲 絶世の楽章
民間音楽
中国の民間音楽は個性的だ。例えば、盲人の阿炳(アービン、本名華彦鈞。幼少の頃から道士の父について音楽を学んだ。20歳の頃に眼病を患い、35歳の頃には両目とも完全に失明。30歳頃から街頭で歌を唄い、楽器を奏でて生計を立てた。二胡「2弦の弦楽器」と琵琶の演奏者であり、同時に作曲家でもある。生涯で二胡と琵琶の作品を200曲あまり作曲したとされ、二胡の曲「二泉映月」がもっとも有名)は、二胡を道連れに悲惨な一生を過ごした。関西(山海関以西)の大男たちは銅製の琵琶を抱き、鉄製の打楽器を持って「大江東去」を歌う。17、8歳の若い女性は、打楽器を叩きながら、親しい人との別れがたい光景を歌う。蕭の笛や古琴の音は高尚で、それを理解できる人が非常に少なく、遁世した演奏者が多かった。チャルメラは悲しいことにも楽しいことにも使い道があるし、琵琶と箏は稲妻や雷鳴のような音が奏でられ、馬頭琴は音が低く沈んで、物淋しい感じがする。
宮・商・角・徴・羽という中国古代の五音音階のような響きをもった曲を今後、聞くことができる機会はなかなかないだろう。
中国古代楽器の缶 琵琶の演奏 筝の演奏