新疆の発展と進歩

五、各民族の平等・団結を堅持する


新疆は民族が多い。2000年の第5回国勢調査によれば、新疆にはウイグル族、漢族、カザフ族などの55民族が居住している。2008年、新疆の総人口は2130万8000人で、そのうち漢族以外のほかの民族が1294万5000人いて、新疆の人口総数の60.8%を占めている。2007年現在、人口100万人以上のものはウイグル族(965万1000)、漢族(823万9000)、カザフ族(148万4000)の3民族である。10万から100万人までの民族は回族(94万3000)、キルギス族(18万2000)、蒙古族(17万7000)の3民族である。1万から10万人までの民族はタジク族(4万5000)、シボ族(4万2000)、満州族(2万6000)、ウズベク族(1万6000)、ロシア族(1万2000)、トンシャン族など6民族である。そのほかの民族の人口は1万人に達していない。

新疆は古来より多民族の集まり住む地区であるが、現在新疆に居住する各民族は歴史上前後して移住してきたものである。史料の記載によれば、紀元前101年に、漢朝(紀元前206年~西暦220年)の軍隊は輪台や渠犁などの地で屯田を始め、その後、新疆の各地に広がっていった。紀元前60年に漢朝の中央政府が西域都護府を設置してから、漢人は役人になる、軍隊に入る、商売をするなどの活動を通じて、次々と新疆に入っていった。漢末までに、漢人は新疆の各地に広く分散したり、各屯田地に集中する形になった。漢族は、比較的早く新疆地区に入った民族の1つである。清朝の新疆統一(1759年)後、清政府は辺境防衛や新疆開拓のために移民を行い、満州族、蒙古族(察哈爾<チャハル>)、シボ族、ダフール族(索倫)、漢族、回族の将兵を新疆に駐屯させ、また南疆(新疆南部)のウイグル人を北疆(新疆北部)の伊犁に、内地の漢族、回族の人びとを新疆に移住させ生産を発展させるよう奨励した。19世紀後期から20世紀前期まで、多くのロシア人、ウズベク人、タタール人が新疆に入りそこに留まった。1949年の中華人民共和国成立時、新疆には13の民族がおり、ウイグル族を主体とし、各民族が「大雑居、小集居、交錯雑居」する特徴を呈していた。南疆はウイグル族が主で、北疆は漢族とカザフ族が主であった。キルギス族、シボ族、タジク族、ダフール族などの民族は分布がかなり集中し、そのほかの民族はほとんど混在して住んでいた。

新中国成立後、新疆の人口の自由な流動が日増しに多くなり、多民族が交錯して雑居する状況がさらに浮き彫りされた。特に改革開放以来、市場の誘導に影響されて、学校入学、仕事、商売、出稼ぎを主目的とする自発的、自主的な人口流動が、新疆の都市部と農村部の間、北疆と南疆の間、新疆と内地の間で頻繁に増えている。2008年、新疆の余剰労働力約24万人が沿海の経済発達地区に出稼ぎに行った。そのほかに、毎年多くの流動人口が季節的に新疆域内や新疆と内地の間で流動している。毎年8月下旬から11月までの綿花収穫期には、他の省や市から数十万人が新疆に移動し綿花の摘み取りをしている。

経済と社会の発展がもたらした人口の頻繁な流動により、新疆の民族構成および分布構造に変化が生じた。1、民族が増えた。2000年、ジノー族のほかに、中国のその他の55民族が新疆に定住している。2、各民族の人口がみな増加した。1978年から2007年まで、新疆に住む人口が最も多いウイグル族、漢族、カザフ族、回族など4民族の人口はそれぞれ74%、61%、81%、78%増えた。3、民族伝統居住地に従来から住む民族の人口比率がたえず下がっている。南疆の喀什、和田(ホータン)、阿克蘇(アクス)に住むウイグル族人口の新疆に住む同族人口に占める比率は、1944年の84.6%から2007年の71.5%に下がっている。伊犁カザフ自治州に住むカザフ族の人口の新疆の同族人口に占める比率は、1944年の83.4%から2007年の76.8%に下がっている。4、都市部の多民族の混在状況がいっそう顕著になった。都市部の少数民族の人口比率が増加している。ウルムチ市には52の民族がおり、少数民族が全市の総人口に占める比率は1978年の18%から2007年の27%に上がった。

新疆の各民族人民は長期間にわたる共同生活のなかで厚い友情で結ばれている。60年来、新疆の各民族人民は相互に尊重信頼し合い、助け合ってともに進歩し、平等、団結、互助、調和のとれた民族関係を構築し、発展させ、強固にした。これは新疆の発展・進歩の重要な内容であり、新疆の発展・進歩を根本的に保証するものでもある。

中国の各民族の存在を認め、またその各方面の平等な権利を保障することは、中国政府の民族問題を解決するための基本的原則と根本的政策であり、中国の民族政策の基礎でもある。『中華人民共和国憲法』は「中華人民共和国の各民族は一律に平等である。国は各少数民族の合法的権利と利益を保障し、各民族の平等、団結、互助関係を守り、発展させる。民族に対するいかなる差別や圧迫も禁止し、民族団結を破壊し、民族分裂をつくり出す行為を禁止する」と規定している。新疆では、各民族公民はすべて憲法と法律が賦与するすべての平等な権利を享有し、その中には選挙権と被選挙権、国の事務管理に平等に参加する権利、宗教信仰の自由の権利、教育を受ける権利、自民族の言語文字を使用し発展させる権利、自民族の伝統文化を保護し、発展させる権利などが含まれる。

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