新疆の発展と進歩

五、各民族の平等・団結を堅持する


自治区政府は、社会生活や政府行為において各民族が一律に平等な権利を行使でき、それを保障するためにさまざまな特別な政策や措置をとっている。1993年に公布され、2002年に改正された『新疆ウイグル自治区言語文字工作条例』は、法的に各民族の言語文字の平等な権利を保障し、各民族が互いに言語文字を学び合うことを提唱、奨励している。1996年に公布された『新疆ウイグル自治区<中華人民共和国消費者権益保護法>の実施方法』は、自治区内で生産販売される商品については、その包装と説明書に少数民族の文字と漢字が表示されるべきである、経営者がその営業場所に「清真」の文字やマークのある看板を掲げたり、食品の包装紙やパッケージに「清真」の文字やマークをつける場合、県クラス以上の人民政府の民族事務管理部門の許可を得なければならない、と規定している。

国は各民族の言語文字が一律に平等である原則を堅持し、いかなる形の言語の特権にも反対している。自治区政府は新疆の実情に合わせて、1988年と1993年に相次いで『新疆ウイグル自治区民族言語使用管理暫定規定』と『新疆ウイグル自治区言語文字工作条例』を公布し、少数民族が自民族の言語文字を使用する自由と権利を制度面から保障した。現在、新疆に代々居住する13の民族は10種の言語と文字を使用している。自治区や各自治州、自治県の機関は公務を執行するに際して、自治民族の言語文字と漢語の2つの文字を同時に使っている。報道、出版、放送、映画、テレビなどでは少数民族の言語文字を広く使用している。『新疆日報』はウイグル、漢、カザフ、蒙古など4種の文字で発行している。新疆テレビ局はウイグル、漢、カザフ、蒙古など4言語で放映している。新疆人民出版社はウイグル、漢、カザフ、蒙古、キルギス、シボなど6種の文字でさまざまな図書を出版している。新疆の各出版社が出版した図書とオーディオビジュアル(AV)製品には、少数民族の言語文字を使用しているものが70%以上を占めている。

少数民族の風俗習慣を尊重することは、各民族の平等な権利を保護する上で重要である。国と自治区の各クラス政府は、各民族が自民族の風俗習慣を維持するか改革するかの自由を持つことを認めた上で、一連の政策、法規を制定し、少数民族の飲食、服飾、祝祭日、婚姻、葬儀などの習俗を尊重し、配慮している。自治区政府は毎年少数民族の生活に必要な食肉と副食品の生産・供給に対して特別な手配を行い、各民族が特に必要とする食品の生産と供給を保証し、イスラム教の信仰が行きわたる10民族に対して特別な配慮をしている。新疆では、毎年「ローズ祭」と「クルバーン祭」には、イスラム教を信仰する各民族人民は祝日休暇を楽しむことができ、ロシア族には「クリスマス」や「復活祭」などの法定休暇がある。

民族団結は、各民族の真の平等を促進するための保障である。国は各少数民族の合法的権利と利益を保障し、民族間のわだかまり、差別、恨み、衝突に反対し、大民族主義、主として大漢族主義に反対すると同時に、地方民族主義にも反対している。新疆では、各民族間の団結を強化することが特別な意味を持ち、新疆のすべての仕事をりっぱに行うための重要な保証となっている。多年来、自治区政府は「一人一人が民族団結の思想を持ち、民族団結を重視し、民族政策を理解し、民族団結のためによいことをしよう」と大いに提唱してきた。新疆の各民族人民は実践のなかで「漢族は少数民族から離れられず、少数民族は漢族から離れられず、各少数民族もお互いに離れられない」という「3つの離れられない」思想を提起した。1982年、新疆は全国の各省・自治区・直轄市のなかで率先して民族団結進歩表彰活動を行い、現在までに5回の民族団結進歩表彰大会を開催し、合計862の民族団結進歩の模範単位と1520名の模範となる個人が自治区の表彰を受けている。1983年から、毎年5月に民族団結教育月間活動を展開し、いままで27年間にわたり堅持し、民族平等・団結の宣伝教育を集中的かつ広範囲にわたって行ってきた。新疆の小学校から大学までの各種の学校教育において、いずれも民族団結および民族知識に関する教育課程を設けている。たゆまず民族団結の教育を行うことにより、各民族の平等団結の意識と「3つの離れられない」思想がたえず人びとの心に深く入り、各民族間の助け合い、互いに尊重し愛し合う気風が勢いよく広がっている。

新疆では、平等、団結、互助、調和のとれた民族関係が社会生活の各方面に表れている。伝統的な生産や暮らし方の影響を受けて、ウイグル族と回族は商売と飲食業、漢族は野菜栽培、カザフ族はウマやヒツジの放牧にそれぞれすぐれたところがあり、統一市場と同じ生産目的により、各民族は相互に協力し合い、ともに発展している。共通の社会制度、共通の政治経済組織、共通の社会生活が、民族の異なる人びとに同志、同僚、隣人、友達などの安定した協力関係を結ばせ、相互理解と友情が大いに深まっている。2004年、2005年に新疆の十数県(市)で行われたアンケートによれば、都市部の住民で2人以上の他民族の友人を持つウイグル族と漢族はそれぞれ65%と61%を占め、他民族の友人を持たない人はそれぞれ30%と29%であった。ここ数年来、民族間の通婚がじょじょに増加している。ウルムチ市では、1980年に結婚届を出したカップルのうち異民族間婚姻(218カップル)は2.1%だったが、2003年には5.9%(811カップル)に上がった。塔城(チョチェク)市では、婚姻届総数のうち他民族間婚姻の比率が、1995年の5.5%から2003年の39.5%まで増えている。1987年の伊寧(グルジャ)市の4民族共生地区に対する調査によれば、言語能力を持つ141人の中、2言語が話せる人は48人、3言語が話せる人は16人、4言語が話せる人が6人、5言語が話せる人が1人であった。イスラム教を信仰するウイグル族、カザフ族、回族などはクルバーン祭とローズ祭を祝い、漢族、蒙古族などは春節(旧正月)を祝うが、どの民族もその日は友人、隣人、同僚と祝福をかわし合い、いっしょに楽しく祝っている。

   前のページへ   1   2   3