3月10日10時、人民大会堂新聞発表ホールで記者会見が催され、全国政協会議の鄭斯林委員、潘貴玉委員、李宝庫委員、李偉雄委員、楊魁孚委員は「高齢化に積極的に対処する」ことについて内外の記者の質問に答えた。
中国はすでに高齢化社会に入り、60歳以上の人口は1.44億人に
「経済日報」記者:中国の人口はすでに13億人に達することになった。高齢化社会の到来とともに、中国はその他の国より大きなプレッシャーにさらされている。現在、中国の養老保険と社会保障のシステムはそれほど充実してはいないが、政府は高齢者の社会保険を強化するためにどういう措置を講じているのか。
鄭斯林委員:高齢化社会の問題は、中国だけでなく、世界各国が注目していることである。生活レベルの向上、医療・衛生の条件の改善とともに、人々の平均寿命が延びているので、高齢者の数が増えている。高齢化社会について考える基準はいろいろあるが、最も直接的で、最も重要なのは「60歳以上の人口が総人口の10%を超えれば、高齢化社会に入ったことになる」ということである。
2005年の統計データによると、中国の60歳以上の人口は1.44億人となり、全国人口総数の11%に達した。つまり、中国はすでに高齢者社会に入っているのである。これは世界的な問題であるが、中国の高齢化問題は特に目立っている。なぜなら、中国の高齢化社会は次の四つの特徴があるからである。
一、 高齢者の数が多いこと。60歳以上の人口は1.44億人に達した。60歳以上の人口が1億人を超えた国は中国だけである。
二、 高齢者の増加が早いこと。21世紀のなかば頃、つまり、2045年前後に中国の60歳以上の人々の数は全国人口総数の30%に達すると予測されている。
三、 生産力のレベルが低いこと。中国は「ややゆとりのある社会(小康社会)」を実現したばかりで、一人当たりのGDPは先進国のそれより低い。そのため、高齢化事業をサポートする資金力にも限度がある。
四、 過去から積み残された問題が多いこと。中国は計画経済から市場経済への転換を経たが、計画経済の体制の下では、養老事業のための蓄積がなかった。こういうことはほかの国には存在しない。
高齢化問題は数多くの問題を社会にもたらすことになった。主として三つある。一、養老年金のプレッシャーが重いこと。昨年、養老年金を支給される人の数は4600万人にのぼり、支給される養老年金は5000億元以上となった。二、医療費用が増加する。一般的には、高齢者が支払うべき医療費用は若者の3倍以上になる。三、高齢者を介護しなければならない。
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