アナリストも、両大会は「人間本位」という思想――これは中国共産党第17回大会で党規約に盛り込まれている科学的発展観の核をなすものの実行をさらに促すことになろう。この理念は今回の大雪害の中でいま一度具現された。胡錦涛総書記、温家宝総理は短い期間にたてつづけに第一線に赴いて災害救援活動を指導し、被災地区の人々を見舞い、彼らとともに祝日を過ごした。それは国全体が迅速に行動を起こすように励ますことになった。
各地の諸部門は応急対策案を始動させ、末端の幹部、軍人・警察、労働者、医療関係者がすべて全力をあげて大雪害と戦う第1線に赴き、全国各地から集められた資金と物資が次々と被災地区に運び込まれた……。海外の世論は、これは中国の「強大な動員力」を裏付けるものであるとしている。国内メディアは、これは中国の「全面的に計画し、歩調を合わせる能力」にとって試練となると見ている。「人間本位」および統一的に計画し、各方面に配慮する方法で発展の目標を達成する目的は、人々により多くの福祉を得させるとともに、中国が本当に一流の国となるためのネックとなっている貧富の格差の拡大という難問題を解決することにある。
この点については、人々は全国の「両大会」を前にして各省・自治区・直轄市が開催した地方の「両大会」からも実証を得た。
2008年の広西チワン族自治区の「両大会」における政府活動報告は人民のために10の実効性のあることを運ぶことを約束し、それは都市と農村の医療事業、農村人口の飲用水の安全、教育、農村の最低生活保障などにも及んでいる。広西チワン族自治区は中国の最も貧困な省レベルの行政区の1つである。重慶市の「両大会」では都市と農村の総合的改革問題が討議された。広東省の「両大会」では珠江デルタの健全な発展だけを見てはならず、調和の取れた発展と共同の富裕化を実現することができるかどうかにも関心を寄せなければならないということが提起された。