ホーム>>政治>>国内政治動向 |
外交部記者会見の舞台裏 |
発信時間: 2008-10-21 | チャイナネット |
|
(1)大量の準備作業
外交部新聞司発布処で長年にわたって勤務したことのある鄒建華・参事官は、1997年から2003年まで外交部報道官の中心的な助手として、崔天凱・朱邦造・章啓月・劉建超ら8人の報道官を助け、500回近くにのぼる外交部記者会見の開催にかかわった。鄒氏がこのほど、外交部記者会見の舞台裏と近年の変化について明かした。「中国新聞網」が伝えた。
鄒氏によると、外交部の報道官と助手は、さまざまな質問に対応できるようにするため、記者会見に先立って念入りな準備を行っている。記者会見を万全の状態で迎えるには、国内外の情勢を熟知し、政府の態度と立場を正確に把握している必要がある。このため報道官らは日々、大量の新聞や雑誌を精読し、外国のラジオやテレビも視聴している。食事や出勤の最中はおろか、寝ている時にさえも、記者の質問にどのように答えるかを考えているという。 外交部の記者会見を支える報道官の助手チームの役割も見逃してはならない。新聞発布(記者会見)処の職員である彼らは、国内外の情勢を常に追い、世論の動きを分析し、記者会見での質問を想定し、適切な回答を準備する。これらの助手チームはとても若く、10数人の職員の平均年齢は25歳前後だ。 新聞発布処で5年余り勤務した鄒氏によると、この仕事には二つの特徴があるという。第一の特徴は、大きな緊張感だ。「外交部の記者会見は週2回だが、準備すべき仕事の量はとても多い。記者会見を迎えるたびに戦争状態で、忙しすぎて息をつく暇もない。歩くときには小走りだし、ゆったりと話をすることもできない。新聞発布処で長く働けば、のんびりした人もせっかちになってしまう」。 第二の特徴は、残業が多いこと。毎日残業が必要な時期もある。記者会見が終了するたびに、質問への回答の状況を整理・文書化し、さらに英訳してウェブサイトに載せなければならない。「週末や休日ものんびりしてはいられない。突発事件が起これば、いつでも外交部に呼ばれる可能性があるからだ」。
(2)いかめしいイメージも変化
国務院新聞弁公室・最高人民法院・外交学院などの「報道官育成班」「突発事件メディア対応研究討論班」の特別講師も務める鄒建華氏は、報道官という職業の特徴やテクニックにもプロとしての意見を持っている。鄒氏によると、報道官の質問の答え方は国によっても違うという。米国の報道官は難しい質問が出されると、回答をいったん停止し、用意した原稿を確認してから回答することがある。中国の報道官はこのようにすることはない。また米国の報道官は何らかの回答を拒否する時、「あなたのこの質問には答えたくない」「今日はこの問題には答えたくない」「今日はあまりたくさん話したくない」など、ぶっきらぼうとも感じられる直接的な表現を使うことがある。中国の報道官はこのような表現はほとんど使わない。 外交部の報道官は、中国政府のイメージを代表する人物でもあり、とても厳粛でいかめしい印象を与えることが多かった。だが鄒氏によると、このような印象は徐々に変わりつつあるという。最も印象深いのは、現職の報道官である劉建超氏が02年6月に初めて行った記者会見。会見の当日、中国のサッカーチームがワールドカップに初登場した。劉報道官はサッカーという世界共通の言語をうまく使い、記者会見ホールの雰囲気をリラックスさせ、外交部報道官の親しみやすくユーモアのある一面を見せた。「あの記者会見は、外交部の記者会見史上で最もリラックスした場となった。最初から最後まで笑い声に満ちていた」と鄒氏は当時を振り返る。 1983年から2008年までの25年間で、合計20人余りの外交部報道官が各国メディアのカメラの前に立った。この期間に外交部長を務めた4人のうち2人が報道官を担当した経験を持つ。記者会見の頻度も週1回から週2回に増やされた。記者会見の形式も、報道官の発言だけで質問時間はなかったのが、制限時間なしで質問を受け付けるようになった。中国の改革開放の足取りに伴い、外交部報道官にまつわるエピソードもさらに豊かなものとなっていくに違いない。 「人民網日本語版」2008年10月21日 |
|