アジア欧州会議(ASEM)第7回首脳会合が10月24日、25日の両日、北京で開催される。これはASEMが2回の構成国拡大を経た後最初の首脳会合であり、45の加盟国の指導者や代表が会議に臨む。
時勢に応じた産物
冷戦終了後、世界の多極化の傾向が顕著になり、特にアジアの振興は最も世人の注目を受けた。ドイツ、フランス、イギリス、イタリアなどの国々はアジア市場の開拓を、経済回復のパワーに欠けた局面を転換させる新たな措置として、新アジア戦略を相次いで打ち出した。欧州連合(EU)も「アジアに向かう新戦略」を提起し、各加盟国がより効果的にアジア諸国と協力するよう呼びかけた。これと同時に、比較的成熟して密接な欧米関係、アジア・米国関係に比べて、アジア・欧州関係は三者間関係のうちで最も弱い部分に属している。このような背景の下で1994年、当時の李光耀シンガポール首相がアジア欧州会合を開こうとの提案を行ったとき、即座に関係国からの積極的な反応があった。2年後、第1回ASEMがタイの首都バンコクで開かれた。
多方面で交流を推進
12年来、アジアとヨーロッパを結ぶ唯一の対話と協力の制度として、ASEMはアジアとヨーロッパの交流を促進する面でかけがえのない役割を果たしてきた。政治・経済・社会文化という柱となる3つの分野を巡って、アジアと欧州の双方は対話と協力を通じて相互信頼を深め、経済貿易の往来を促し、文化と人的往来を推進した。現在、ASEM加盟国の人口は世界総人口の57%を占め、貿易額は世界の60%を占め、国内総生産(GDP)の総和は世界総量の5割を上回った。
中国のASEM高官の王学賢大使は記者の取材を受けた際、「対話制度として、ASEMの最も重要な貢献は『アジア欧州双方に多レベル、多分野の舞台を提供した』ことだ」との考えを示した。現在、ASEMは首脳会合、外相会合、高官会議およびその他の閣僚級会議を含む活動メカニズムを確立した。経済貿易協力の面では、政策対話のほか、会議は「アジア欧州貿易円滑化行動計画(TFAP)」と「アジア欧州投資促進行動計画(IPAP)」を制定し、ASEM信託基金を開設した。同基金はアジア各国を援助して金融機構の改革を行うのが目的で、今まですでに2期行った。社会文化の面では1997年、シンガポールでアジア欧州基金を開設し、アジアとヨーロッパ両地域間の学術、文化、人的交流を推進するねらいで、これまでに400回にわたって活動を展開してきた。
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