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朝韓関係の行方
発信時間: 2008-12-03 | チャイナネット

朝鮮で今月1日、軍部が先に宣言した朝韓関係に関する5項目の措置が執行された。5項目のなかには、開始から1年経たない開城観光の中断、貨物列車の運行中止なども含まれる。韓国と朝鮮が過去10年間積み重ねてきた相互信頼と協力の基盤が一気に崩れ、双方の関係はいっそう悪化の危機に直面している。

▽朝鮮と韓国に襲う「寒流」

朝鮮と韓国の「寒流」は、そもそも韓国の李明博(イ・ミョンバク)政府が今年2月に発足してから始まった。今年7月、朝鮮の金剛山を観光中の韓国人観光客が朝鮮側の軍事立入禁止区域に立ち入って射殺されるという事件が起こった。事件発生後、韓国側は朝鮮に人員を派遣して調査を行うことを断固として要求。朝鮮側の拒絶を受け、韓国側は金剛山観光プログラムの一時停止を宣言した。

ここ数カ月、朝鮮と韓国の間では韓米合同軍事演習や、朝鮮の指導者の健康問題に関する報道、韓国の右翼団体が朝鮮領域に政治ビラをばら撒いた問題など食い違いが絶えない。今回朝鮮が宣言した5項目の措置執行によってここ10年間活発だった政府間の対話や赤十字の交流、経済協力は瞬く間に打撃を受け、双方の関係は最悪の状態に陥った。

韓国聯合通信社は2日、朝鮮が5項目の措置執行によって韓国と朝鮮の間で新たな対立が爆発する可能性があると報道した。

▽朝鮮と韓国の政策矛盾が深刻化

イ・ミョンバク大統領の対朝政策は、朝鮮が提唱する政策「自主」「民族共助」「和解協力」とは理論的に相容れないものだ。これが双方の関係を悪化させている根本原因のひとつだといえる。イ・ミョンバク政府が打ち出した対朝政策「無核・開放・3000」は、朝鮮の核問題と朝鮮開放の即刻解決を前提に、韓国が10年以内に朝鮮の国民平均所得を3000ドルに引き上げる支援をするというものだ。朝鮮からすると、これは朝鮮に対する「平和革命」の実施ということになる。

一方、イ・ミョンバク政権は発足後、双方首脳が調印した「北南共同宣言」と「北南関係の発展と平和繁栄宣言」に対する態度を保留している。朝鮮側はこの2つの「宣言」をこれまで朝韓関係の最も重要な骨子となる文書と見てきた。

さらに韓国は韓米間の政治・軍事協力を強化、外交や軍事上で米国と密に協力し、共同で朝鮮に圧力をかけるやり方も朝鮮に追い討ちをかけた。

▽朝韓関係の行方

朝韓関係の後退は、双方の対立と不信頼を加速させるだけでなく、周辺地域の安全や安定にも不確定要素を増やす。双方の対立により、対話の強化と理解の増進が必要な朝鮮の核問題6カ国協議へのマイナス影響も避けられない。

朝鮮側が開城観光の中断や、陸路交通・人員往来などの規制実施後、韓国統一部は双方に冷静かつ客観的な態度をとるよう呼びかけ、一時矛盾の激化は免れた。しかし韓国の保守勢力を代表する与党のハンナラ党は対朝政策を保持する強引な姿勢を維持しており、譲歩する意思はなく、双方の関係緩和は一段と困難を増している。

韓国政府の現行の対朝政策では、双方の和解と協力を進めるには限界があり、両国間の対峙はさらにグレードアップする可能性があるとアナリストは分析する。朝鮮と韓国の内部交流が日増しに推進力を失いつつある中、外部の状況変化が朝鮮半島の情勢に対する重要性を増してきている。まもなく開かれる朝鮮核問題6カ国協議と米国のオバマ政権発足後の対朝政策はいずれも朝鮮半島の情勢に影響を与える重要な要素となるだろう。国際社会は一般的に朝鮮半島の平和と安定を期待しているため、朝韓関係が「軟着陸」する可能性は依然として残っている。

「人民網日本語版」2008年12月3日

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