オバマ次期米大統領は15日、テレビ中継の記者会見で、次期政権のエネルギー・環境政策チームを発表し、中国系科学者でノーベル賞受賞者のスティーブン・チュー(朱棣文)氏をエネルギー長官に正式指名した。チュー氏はこれまでのところ次期政権中唯一の中国系。米国の歴代政権では、イレーン・チャオ労働長官に続く2人目の長官だ。「中新網」が伝えた。
オバマ氏は「エネルギー問題と米国の経済・安全保障は密接な関係にある。政策チームのメンバーは、いずれもエネルギー・環境分野の一流の専門家やマネージャーだ。気候変動や新エネルギー開発の試練へのより良い対応を助け、米国の繁栄と安全を強化してくれるだろう」と述べた。
今年60歳のチュー氏はミズーリ州セントルイス生まれで、原籍は中国の江蘇省太倉。レーザー冷却により原子を捕捉する技術の研究により、1997年にノーベル物理学賞を受賞した。2004年8月からアジア系として初めて、米エネルギー省に属するローレンス・バークレー国立研究所のディレクターを務めている。
専門家は、チュー氏はその世界観と展望性からエネルギー長官として無二の人選であり、今回の指名は手腕重視のオバマ氏の人材方針を示すものとしている。チュー博士のエネルギー長官指名は米国の中国系社会に大きな反響を呼び、カリフォルニア州上院議員の余胤良氏も「中国系米国人の誇りだ」と表明している。
「人民網日本語版」2008年12月16日