インド宇宙研究機構(ISRO)は30日、月を2年間周回する予定だった同国初の無人月探査機「チャンドラヤーン1号」との交信が29日午前1時30分に途絶え、現在も行方不明となっていると発表した。これにより、同探査機による観測任務は中断を余儀なくされた。チャンドラヤーン1号の突然の「蒸発」は、意気込みの盛んだったインドの月探査計画にとって1つの挫折とアナリストは指摘する。
チャンドラヤーン1号が行方不明になった原因について、インド各界の見解は一致していないが、大多数の科学者は、電子系統の故障によるものと分析している。
ISROの報道官は、チャンドラヤーン1号は現在も「100%」軌道上を航行しているとの見方を表明。ナイール理事長も交信再開に望みをつないでいる。だが大多数の科学者は、チャンドラヤーン1号は間もなく軌道をそれ、最後は月面に墜落、大破するだろうとの悲観的な予測を示している。
インドの月着陸計画は(1)無人月探査機の打ち上げ(2)2015年に有人宇宙飛行(3)2020年に宇宙飛行士を月に送り込む----の3段階からなる。08年10月22日に初の無人月探査機を打ち上げたことで、月着陸への順調な第一歩を踏み出していた。
「人民網日本語版」2009年8月31日 |