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japanese.china.org.cn |22. 09. 2023 |
現実的な基礎を失った「新冷戦」②能力と国内要素に制約される米国
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冷戦時代と比べると、米国の実力と国際的な声望にも大きな変化が生じた。米国の体制と文化には現在、重大な欠陥がある。政治の二極化が深刻で、国内の分裂が深まり、相対的な衰退が激化している。中国に「新冷戦」を仕掛ける能力と国内の基礎が制約されている。
(一)政治と社会の発展に持続可能性がない。経済のグローバル化は米国国内の社会的な問題を激化させた。貧富の格差が開き、人種関係が緊張し、人口構造が調整され、銃による暴力が発生している。これらは米国社会の団結を弱める重要な要素だ。特に米国では近年、リベラル派と保守派の対立が激化し、社会の亀裂が修復されていない。
(二)経済発展の今後の力が失われている。米国経済は「実を脱し虚に向かう」が深刻で、米国経済に占めるサービス業の割合が長期的に80%弱にのぼり、特に金融バブルが深刻化している。また米国の公的債務と世帯の債務がいずれも非常に高い水準で、公的債務の上限が持続的に引き上げられ、今や維持できない程度になっている。この状況は米ドルの有利な地位により支えられているが、中長期的に見ると持続可能性がない。
(三)国内外の政策が反対されている。米国は常に好戦的で、世界の平和と安定への破壊が深刻だ。米国の対外政策は国際社会で広く反対されている。米国は戦争のない平時でも軍事費の対GDP比を4%以上で保っている。その一方で国内のインフラが老朽化し、その社会福祉、基礎教育、研究開発費などが多くの資金を必要としている。ところが軍産複合体の影響により、米国の軍事に干渉される対外政策が膠着状態になり、米国の政治・経済・社会改革を実行する能力が制限されている。
現在の国際環境、中米関係の現実、各自の実力はいずれも中米「新冷戦」の基礎を備えていない。中国はソ連ではなく、米国も当時の米国ではない。中米は世界最大の2つの経済体で、地域及び世界の平和と安定の維持や、気候変動への対応などの世界的な挑戦に対して特殊な責任を持つ。国際社会は中米関係の安定維持を強く期待している。事を構えた側である米国は国際社会の声により耳を傾けるべきだ。現在なすべきは、中米両国の人民間の交流を再開・拡大し、文化の面で相互学習し、互いに参考にすることだ。冷戦の古い道を歩まなければ、両国の人々と国際社会は利益を得るだろう。
(筆者=王勇・北京大学国際関係学院教授、北京大学米国研究センター主任)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2023年9月22日