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中国美術館で個展を催す最初の日本人画家・馬越陽子さんにインタビュー
発信時間: 2007-11-20 | チャイナネット

中日国交正常化35周年を記念するため、日本人画家馬越陽子さんの油絵個展が14日から22日にかけて中国美術館で開催されている。「チャイナネット」の記者は、初めて中国最高の美術展観施設で個展を催す日本人画家・馬越陽子さんにインタビューした。

開幕式であいさつをする馬越陽子さん

馬越陽子さんは日本独立美術協会会員、日本女性画家協会委員、元多摩美術大学大学院博士課程教授で、現在はこの大学の客員教授。1973年日本文化庁派遣の最初の女性芸術家としてヨーロッパに一年間赴き、ヨーロッパの10余りの国及びアメリカ、旧ソ連、ギリシア、エジプト、エチオピアなどの200カ所の美術館で研修し、その後、インド、モロッコ、パキスタン、イスラエルなどの国を訪問し、研修をつづけた。

その時の体験について、馬越陽子さんは「一人で大変な旅をしましたが、さびしくはなかったです。原画を見て、たくさんの作家が声をかけてくれる感じでした。プリントを見るだけでは、作家の声が聞こえないんです。たくさんの作家が献身的、絵に自分の命を捧げたのだと強く感じ、大変感動しました。自分も同じようにしたい。ゴッホが死ぬほど好きだった。悲惨さは感じたが、絵が素敵なのです」と語ってくれた。

 

馬越陽子さんにとって、絵を描くことは最大の喜びである。疲れきっていても、絵を描けばすぐ元気が出てくる。50年間も油絵を書き続けてきたが、あと50年間は描き続けたいと、絵に対する情熱は今も変わらない。

この個展は馬越陽子さんにとって最大の個展となった。早期の作品から原作まで、約50年間にわたる作品が展示されている。作品に変化があるかどうかについて、「作品の変化は自分にはわからないものです。画集を見ると、早い時期、ノイローゼみたいのものを書いたなあと思ったこともある。今はゆったりとした心になっている。でも、目指していることは変わらない。最初は花鳥風月を見下げていたが、ここ10年来、自然の中に人間の姿が見えると考えるようになった。自然は美しいが、何といってもそれを感じるのは人間。人間の存在は自然の中で最も複雑のものである。もし人間がいなければ、この世は闇だと、砂漠だと思う。絵の中でアグリー(ugly)なものを排除して、プュアのものにしたい」と自分の美意識について語ってくれた。

馬越陽子さんはこれまで約十回も中国を訪れ、長江三峡などいろいろなところに行って、中国の自然に触れた。

中国に対する印象について、「パワーフルという一言に尽きます。生気とエネルギーがうず巻いている感じです。そして、中国人は素直に生きています。中国人の向上心に見習えたい。日本はテクノロジーが発達しているが、テクノロジーの世界にこき使われている感じです。」と日本との違いについて語った。

中国美術館で個展を開いた最初の日本人画家なので、展観に来てくれる人は多かった。その中では、中央美術学院、北京師範大学で美術を専攻する学生も少なくなかった。北京師範大学のある学生は、「馬越陽子先生のいのちへの熱愛に感動した。個展の会場に入ったとたん、銃に撃たれたようで、心臓の動きが止まったような感じでした。」とその感想を3枚のペーパーに書いて馬越陽子さんにあげた。「馬越陽子先生の絵の中で、何かを探している人間の顔が印象的だった。それはいのちへの追求じゃないかと思う」という感想がある観客もいた。

「チャイナネット」2007年11月20日

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