雲南省を歩こう

カルスト地形奇観をめぐっての旅 昆明―九郷―阿盧古洞―邱北普者黒

このコースを歩くと、カルスト地形の山、川、樹林、洞穴などの自然奇観を楽しむことができるだけでなく、イ族、チワン族、ミャオ族、ヤオ族など少数民族の風情も感じられる。また、雲南省の歴史をたどることもできる。初日は西山、滇池と雲南民族村を見学。二日目は大観楼、金殿、築竹寺および市内観光、三日目から五日目は石林、阿盧古洞、邱北普者黒を見学。

昆明市は雲南省の省都であり、中国歴史文化名城の一つでもある。同市は雲南―貴州高原の中部にあり、標高は1891㍍で、四季が春のようである。年間平均気温は15℃で、湿度もちょうどよいため、「春城」と称されている。昆明は中国西南部の重要な観光都市と対外窓口であり、自然景観と人文景観の集まった地域でもある。悠久なる歴史、特異な地質構造が昆明に文物、古跡と名所旧跡を残している。昆明周辺には西山森林公園、滇池、大観楼、雲南民族村、築竹寺、翠湖、金殿、円通寺、石林、九郷風景区、阿盧古洞などがある。1999年5月1日から10月31日まで、昆明で世界園芸博覧会が開かれた。それ以来、世界園芸博覧会の会場は観光スポットになっており、一年じゅうオープンしている。昆明は多くの民族が集まる都市で、中には省全域には26の少数民族が存在するが、どの民族も昆明に住んでいる人がいる。そのうち、漢民族、イ族、ペー族、ミャオ族、回族、ハニ族などもとからこの地に暮らしていた12の少数民族も含まれる。そのため、独特な民族風情が形成されている。

雲南民族村

滇池の北岸の土手一帯に位置する。東から西へ滇池に入り込む細長い砂質の土からなる半島で、俗に海こうと呼ばれている。敷地面積は1333.3㌶で、天然の湖水浴場とトレニンーグ基地があり、レジャーにとって格好のいい場所である。両山森林公園、大観公園、鄭和公園などの名勝観光地と滇池を隔てて向かい合っている。 リフトで西山の竜門とつながっている。観光客は村を訪ねると、雲南の各少数民族の建築様式、民族服飾、民族風俗などを知るだけでなく、レーザー噴水、民族の歌踊り、ゾウのパフォーマンスなどを観賞することもでき、民族の特色に富む軽食類に舌つづみを打つことができ、民族工芸品も買うことができる。民族衣装に身を固めたガイドさんが案内しながら、少数民族の風俗について話してくれる。村ではペー族の「三月街」、タイ族の「水掛け祭り」、リースー族の「刀杆祭」、ジンプォ族の「目脳放歌」、ナシ族の「三朶祭」など少数民族の祝日を祝う行事がくりひろげられ、観光客を十分に楽しませてくれる。

滇池

雲南省昆明市の南西部に位置する。昔は滇南沢と称され、昆明湖とも呼ばれた。周囲には滇という部落があるためか、あるいは水が逆流することにちなんで、滇池と名付けられた。滇池は地震によって形成された湖で、新月の形をしている。湖の水面の標高は1886㍍で、南北の長さは39㌔、東西の最も広いところの幅は13㌔である。湖に注ぎ込まれる何本かの川の流域面積は2855㌔に達し、中国で6番目の淡水湖である。

金殿

昆明市北東部郊外の鳴風山にある。昔は銅瓦寺と称されていた。明の万暦32年(紀元1604

年)に陳用賓という人によって建てられ、造型や規模は湖北省の武当山の天柱峰にある金の屋根の太和宮を模倣したものである。中には真武大帝が祭られているため、真武殿とも呼ばれる。崇禎10年(紀元1637年)雲南巡撫(省の民政・軍政長官)張風翺が金殿を賓川の鶏足山に移した。清の康熙10年平西王呉三桂の主張によって再建された。主な見所として一、二、三天門、欞星門、太和宮、金殿、三豊殿、秋園、鐘楼、環翠霞琦宮など道教の建築物および茶花園、花ばたけがある。

金殿はすなわち真武殿で、高さ6.7㍍、幅、奥行きはそれぞれ6.2㍍、重さは4㌧である。殿柱、門、屋根はすべて銅で造られたものである。屋根が重なり、壮大そのもので、全体が光り輝いているため、金殿と名づけられた。この建築物から300年以前の雲南省の銅製錬技術の素晴らしさを見てとることができる。金殿の一側に銅製の七星旗が掲げられており、素朴さとおごそかさが感じられる。展示室には明の永楽21年(紀元423年)に鋳造された銅鐘と呉三桂が使った刀が展示されている。金殿と金石の銘文は歴史、芸術、科学的な価値ある。現在、金殿は全国の重要文化財として保護されている。

西山

昆明市から20㌔離れた西郊外、滇池の西岸にある。碧鶏山、華帝山、太華山、羅漢山、掛榜山などからなる。山脈が40㌔延々とつながっている。標高は最高2500㍍に達する。伝説によると、鳳凰がここに生息していたことがあるため、碧鶏山とも呼ばれたという。遠くから眺めると、眠っている大仏のように見えるし、美しい少女があおむけに寝ているようにも見える。「臥仏山」あるいは「睡美人」とも呼ばれている。緑に囲まれた山あり、渓流あり、鳥からなる森林公園であり、 名所旧跡がたくさんあるところでもある。主な見所として華帝寺、太華寺、二清閣、竜門、聶耳の墓、普賢寺、楊升庵祠がある。昆明の人たちにとって三月三日は西山へピクニックに行くことが慣例となっている。交通が非常に便利で、道路、水上ルート、リフトが西山とつながっている。

大観楼

昆明でもっとも重要な観光スポットの一つである。昆明から南西2㌔の滇池のほとりにある。民国初年(1911年)に、ここは公園となった。唐継尭(1883〜1927年、雲南省の軍閥)は資金を割り当ててここを修繕して、自分の銅像を公園の真中に建てさせた。1940年、さらに杭州の西湖の「三潭印月」を模倣して、楼の手前の池に石台三つを置いた。大観公園は地勢にしたがって、近華浦、大観楼の部分、楼外楼、魯園の部分、庾園、花ばたけ、柏園の部分の三つに分かれている。

大観楼の東側の彩雲崖から長い土堤に沿って南へ行くと、船の形をした楼外楼が目に入ってくる。楼の周りに水面に面して曲がりくねる回廊があり、楼は二階建ての古典式建築物で、滇池に向けて出港する大きな画舫のように見える。二階に登ると、帆かけ船、遠くの樹木、網の目のようにはりめぐらされる湖に注ぎ込まれる何本かの河川が目に入ってくる。側面から大観楼の前を見やると、人、花、楼の影が水面に映っている。楼の一階には茶席があり、ここですこし休憩したあと、ボートに乗り、約三、四百㍍漕げば、达魯園に着く。園内の亭、台はこじんまりとしている。亭、台の周りにバラ、ヤナギの木などが植えられ、池の中はハスの花がいっぱいで、中国南部の庭園の雰囲気が感じられる。楼外楼から土堤に沿って東へ向かい、曲がりくねった木陰道影道を通り抜けると、東園に着く。ここには小橋、水の流れがあり、花と木、赤い色彩の亭と石の腰掛けが点在しており、特別な味わいのある雰囲気がかもし出されている。

「チャイナネット」2000年12月14日