雲南省を歩こう(2)石林

昆明市から南東へ86㌔離れたところにある石林イ族自治県に位置する。安寧―石林間の自動車道路が通じている。雲南省の魅力溢れる独特な景勝区である。面積は26666.6㌶で、あちこちに高い岩壁があり、山峰が重なるようにそびえ立ち、果てしなき森林のようで、石林と名づけられている。天下第一の奇観とも称されている。

石林は典型的なカルスト地形である。今から約2.7億年前、この一帯はまだ大海原で、厚い石灰岩層の堆積がつついた。地殻の変動により、海の水がどんどん引いて、石灰岩層が上昇してきて、陸地になった。海水や炭酸を含む水の侵食のあと、さらに長期にわたる風化の作用により、今日の石林が形成された。石林景観区には大石林、小石林、乃古石林、新石林、石林奇風洞、芝雲洞、長湖、月湖、大叠水などの観光スポットがある。この一帯にはイ族の支系であるサニの人たちが住んでいる。イ族は踊りに長じた民族で、踊りの所作はおもに体を揺れ動かし、手拍手をとり、足を叩く、身をよじって跳ねるなどである。長編の叙事詩『阿詩瑪(アスマ)』、映画『阿詩瑪』はサニの人たちの習俗を十分に具現したものである。

大・小石林は李子箐にあり、石林の絶好の見所である。有名な剣峰池は大石林景観区にあり、石峰が池の中に聳え立っていて、まるで宝剣が青空に突っ立っているようである。周りに一風変わった形の石が聳え立っている。曲がりくねった小道は景観区の奥の静けさのみちたところまでつづいている。

乃古石林は面積が6666.6㌶で、石は松のようで黒色を呈し、一般には黒松岩石林と呼ばされている。乃古はサニ語で黒色の意味である。

新石林は石林の北側にあり、面積は333.3㌶で石、川、洞穴がともに存在しているので、多彩かつ壮大な景観である。石林景勝区には現在照明施設が取り付けられ、夜に石林に足を運ぶと、昼間とは異なった情趣が感じられる。毎年旧暦の6月24日、イ族のタイマツ祭が石林と月湖で催され、その際、闘牛、民族相撲などのスポーツ行事が行われる。

阿盧古洞穴

昆明から169㌔離れた瀘西県にある。壮大なスケールのカルスト溶岩洞穴群で、総延長は3000余㍍に達する。洞穴内には小川、石竹、石花、石柱、石滝などの景観があり、それぞれの姿で古めかしい、奇異かつ絶妙な特徴を持つ。ここに住むイ族の人たちは風俗、服飾、飲食の面で特色を持っている。本場のイ族のソバ類食品を賞味することも独特な楽しみ方である。

邱北普者黒

昆明から280㌔離れた南東部の文山チワン族ミャオ族自治県に位置する。景観区は大小さまざまな湖と溶岩洞穴からなる。山が美しく、川の水が透き通っている。山峰がポツンと湖面には突っ立っている。湖面にハスの葉が点点として、桂林の山・川の美しさに匹敵するといえるほどである。「滇南桂林(雲南省南部の桂林)」と称されている。ミャオ族、イ族、ヤオ族など6つの少数民族の人たちがこの一帯に住んでおり、素朴かつ濃厚なる民俗風情が秘められている。ミャオ族の「花山祭」、イ族の「タイマツ祭」サニの人たちの「かがり火の夕べ」が観光客を引き付けている。

「チャイナネット」2001年2月23日