中国・海南島で戦時中「慰安婦」だった女性が日本政府を相手に謝罪と賠償を求めていた訴訟で、日本の東京地方裁判所は30日、原告の請求を棄却する判決を言い渡した。矢尾渉裁判長は判決で原告の請求は棄却したものの、旧日本軍が第2次世界大戦中に海南島で女性を連行、監禁、暴行した事実は基本的に認定した。
旧日本軍は第2次世界大戦で海南島を占領し、駐屯地近くに「慰安所」を設置。当時14~18歳の少女らを多数連行し、「慰安所」に監禁したうえで、暴行をはたらいた。
陳亜扁さんら中国・海南島の「慰安婦」8人は2001年7月に東京地裁で、日本政府を相手に、謝罪による名誉回復と、それぞれ2300万円の賠償を求める訴訟を起こした。現在までに原告団のうち2人が亡くなっている。
中華全国律師(弁護士)協会は今回の判決について、旧日本軍が第2次世界大戦において中国人女性を強制的に「慰安婦」にしたことを東京地裁が犯罪行為として認めなかったことは、一種の後退であると指摘。中国法律援助基金会と共に「中国元『慰安婦』被害事実調査委員会」や「『慰安婦』賠償基金」を設置することを検討している。同委員会は5年をかけて、「慰安婦」制度が中国人女性にもたらした被害や、「慰安婦」の実際の人数を調査する計画だという。
「人民網日本語版」2006年8月31日