南京大虐殺の生存者・夏淑琴さんが30日午後、東京地方裁判所に出廷し、夏さんの証言を「でっちあげ」と主張する日本の右翼的学者に激しく反論した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
夏さんは8歳だった1937年12月13日、当時中国を侵略していた旧日本軍に家族7人を殺害されたが、4歳の妹・淑雲さんとともに辛うじて難を逃れたという。ある米国の牧師が、夏さんの家族が惨殺された様子をカメラで捉えていた。
日本の出版社「展転社」は1999年、右翼的学者の東中野修道、松村俊夫両氏のいわゆる「研究書」を出版した。両氏は同書の中で、夏さんともう1人の生存者、李秀英さんの身分を否定し、「事実をでっちあげた」と主張。夏さんはこれを名誉毀損に当たるとして、中国の裁判所で両氏を提訴していた。一方、東中野、松村の両氏は2005年4月、東京地方裁判所に対し、夏さんが中国の裁判所に訴えた起訴事実が「存在しない」ことを確認するよう求めた。夏さんはこれを受けて5月、東京地方裁判所に反訴した。
夏さん側の日本人弁護団によると、被告側の弁護士は同日すでに訴えを取り下げ、審判長もこれに対する異議は出していない。日本の法律に従えば、現時点で取り下げはすでに成立したことになる。夏さんは今後、自らが反訴した案件の原告として、公平な裁きを得るまで法廷に立つことになる。
写真:出廷後の報告会に出席する南京大虐殺の生存者、夏淑琴さん(中央)=東京弁護士会館で30日
「人民網日本語版」2006年7月1日