第3回中国・ASEAN博覧会、中国・ASEANビジネス・投資サミットに出席したASEAN問題の専門家たちは、中国・ASEAN間貿易は大きな将来性があると見ている。中国・ASEAN間貿易額は2008年に、2000億ドルの大台に乗るという見通しが示され、これは中国とASEAN諸国首脳らの予想より2年早まるものとなる。
中国・ASEANビジネス理事会の許寧寧副事務局次長は、ますます整った立体交通ネットワーク、補完性のある製品構造および「関税引き下げプラン」の実行は、必ず中国・ASEAN間貿易の急成長をもたらすことになる
中国とASEANの対話プロセスは1991年に始まり、同年の中国とASEANの貿易額はわずか63億ドルであった。その後の急速な経済・貿易関係の発展に伴い、2004年の双方間の貿易額は初めて1000億ドルの大台を突破した。2005年の中国・ASEAN間貿易額は1300億ドル以上となった。今年の第1四半期~第3四半期の中国・ASEAN間貿易総額はすでに1163億数ドルに達している。現在、中国とASEANは互いに相手側にとって4番目の貿易相手となっている。
これと同時に、中国・ASEAN間貿易の伸び率はすでに中国の貿易発展の全体的レベルを上回るに至っている。中国税関の統計によると、1990年~2005年間の中国・ASEAN間貿易総額は年平均22%の伸び率で増えており、同期の中国全体の輸出入貿易総額の年平均伸び率より4ポイント高いものとなっている。
中国社会科学院アジア太平洋研究所経済室の柴瑜主任は、記者の取材を受けた際、中国・ASEAN間貿易額は前倒しで2000億ドルの大台に乗る要因について、次のように分析した。
1、最も重要な原因は双方の政治、外交関係が絶えず向上していること。
ここ数年、中国は日とともにASEANを含めた周辺諸国を重視するという外交戦略を取っており、この政治戦略の転換は中国・ASEAN間の経済・貿易協力の基礎となっている。
2、中国とASEANの輸出入商品構造が絶えず変化していることもまた、双方の経済貿易協力関係深化のもう1つの要因である。
今では、中国とASEANの輸出入商品が次第に未加工製品から工業完成品とりわけ機械・電子製品およびハイテク製品にシフトしつつある。2005年現在、中国とASEANの機械・電子製品およびハイテク製品の貿易額はすでにそれぞれ双方の貿易総額の60%と45%を占めるに至っている。
3.中国の「分ち合い式」発展モデルがASEAN諸国に多くのビジネスチャンスをもたらしていること。
現在、中国の対ASEAN貿易は貿易黒字となっており、在来の農産物と原料としての製品から、新興の部品、電子製品などのハイテク製品に至るまで、中国はASEANからの輸入が増え続けていることは、ASEAN諸国に大きな発展の空間を提供することとなり、双方の経済・貿易協力の発展を促す上で大きな役割を果たしている。
全面的にスピード・アップされている中国・ASEAN自由貿易区構築は、今後の双方の経済・貿易の一層の発展、最終的な貿易自由化の実現に制度面から保障するものとなろう。
『中国・ASEAN全面的経済協力枠組み合意・モノの貿易協定』に基づき、中国とASEANは2005年から中国・ASEAN自由貿易区関税引き下げプロセスに入っており、これによって双方の大部分の製品の関税は2010年にゼロになる。モノの貿易協定の調印は中国・ASEAN自由貿易区構築プロセスにおける障害を取り除くと同時に、中国・ASEAN間貿易額急上昇のけん引役となっている、と柴瑜主任は語っている。
「チャイナネット」2006年11月1日