このほど、日本川崎重工の子会社川崎造船は中国遠洋運輸グループとそれぞれ150億円を増資することで、中国における合併企業の南通中遠川崎船舶工程公司(「中遠川崎船舶」と略)の造船能力の増強を目指していることが明らかになった。
中遠川崎船舶は中国遠洋運輸グループと日本川崎造船が1999年にともに設立した大手造船企業で、双方はいずれも50%の株式を保有している。現在、この会社は30万トンクラス乾ドック、及び中国がはじめて自ら設計し、製造した300トンクラスのクレーンを保有している。関係筋によると、今回の投入資金は新たなドックの建造に用いられることになっており、このプロジェクトは来年年内に着工される。同社の青写真に基づくと、2010年までに、中遠川崎船舶の年間造船能力は昨年の130万トンから260トンに倍増し、社員の数も現在の1100人から3000人に増える。
今回川崎造船の増資の理由は、韓国の造船企業との競争で勝ち残ることを目指すものである、と日本のメディアは見ている。統計データによると、韓国の造船産業は年間2ケタ増のペースで発展をとげており、向こう10年間に、その輸出額の増加幅は6.1%に達し、2015年までに300億ドルを上回ると見られている。韓国造船業のめざましい発展は、在来の造船強国日本にとって脅威となっている。したがって、川崎造船は中遠川崎船舶に対する投資を重要なさらなる発展のチャンスと見なしている。
さて、昨年、10年間連続世界3位であった中国の造船業は2位となっている。中国の増え続けるエネルギー、鉄鉱石及び原材料に対するニーズは海上運輸が盛んになることを促し、直接造船企業の拡大をもたらしている。近年、中国の造船業は年間30%増のスピードで成長を遂げ、順調に発展する良い循環の段階に入っており、トータルな利益も急速に増えている。このような背景の下で、数多くの外資系造船業が対中投資を拡大することは、当然のことである、と中国船舶工業協会の鄧セン鈴副秘書長は語っている。
「チャイナネット」2007年3月8日