統計データによると、今年1~4月期の全社会消費財小売り総額は2兆7860億元に達し、前年同期比15.1%増で、1985年に比べると、現在の消費総量はすでにその15倍以上となっている。
ここ数年、消費構造のグレードアップで著しい変化が見られる。中国の消費は「温飽(衣食満ち足りる)」型消費から「小康(ややゆとりがある)」型消費まで、さらに「享受」型消費の段階へとシフトしつつあり、関連産業の発展にとって大きなチャンスとなっている。高級白酒、乳製品、ワイン、薄型テレビなどの業種の主力メーカーおよび消費チャンネルとしての小売チェーンや近代的百貨店業がいずれも急速な成長を遂げている。
消費形態の面で、住民収入の絶えず上昇および生活の質の改善に伴い、消費者の商品選択において、ブランド指向がますます顕在化しつつある。上海市、北京市、浙江省など比較的に豊かな地域の1人当たりの平均月収が約3000元に達している現状の中で、中間層が急速に台頭し、ぜいたく品消費のニーズも急拡大しつつある。今のところ、女性用消費財の伸び率はGDPをはるかに上回るものとなっている。資本市場においても、女性用消費財経営企業が注目の的となり、これらの企業の株価上昇率も株式市場の平均を上回っている。
消費のグレードアップは人々のライフスタイルをすっかり変えることになった。
2003年における中国の1人当たりGDPが1000ドルを上回った。これを受け、国内外の専門家は相次いで、中国は新たな消費のピークを迎えることになり、消費構造も絶えず変化を遂げるであろうという見方を示した。
「国外の推計では、ある国の1人当たりGDPが1000ドル以内である時、「食べる」と「着る」問題、つまり衣食の問題しか解決できないが、1000~3000ドルの段階では、初めて一定の貯蓄ができるようになり、「住(住む環境)」と「行(交通手段)」問題の解決およびその他のより高いレベルのニーズを満たしうるようになる」。国家情報センター経済予測部の祝宝良副主任は上海証券報記者の取材を受けた際にこのように述べた。
「住」と「行」に対応する商品は言うまでもなく、住宅と乗用車であり、たとえデータによる裏づけがなくても、大・中都市で暮らしている市民のほとんどはこの2つの市場の堅調さを肌で感じている。
3年間が過ぎ去り、現在の消費のグレードアップはどの段階まで進んでいるのか。「2004年が消費のグレードアップのスタートの階段とすれば、現在は消費のグレードアップ加速化の段階になっている」、と申銀万国の李慧勇アナリストは見ている。
以上の判断を下す理由として次の2点があげられる。1、データで示されているように、2003年の中国の都市部住民の1人当たり可処分所得は8472.2元であったが、その後3年間はそれぞれ9421.6元、10493元、11759元に達し、所得の増加傾向には変化が見られず、消費はさらに底堅いものとなっている。2、観光や教育、医療分野の消費の伸び率は全業種の平均伸び率を上回り、エンゲル係数に占める割合が急速に向上している。
「マクロ経済発展の3つの要因の中で、消費は最終需要であり、消費のグレードアップが投資を促し、国内市場を通じて一部の国内の生産能力過剰問題の解決に寄与することになり、そして国際市場に過度に依存する必要もなくなり、貿易黒字の縮小、国際収支の均衡を図る上で大きな役割を果たすことになる」、と李慧勇氏は見ている。
「消費構造の絶えず改善が産業構造のグレードアップを促している。消費構造の改善と産業構造のグレードアップという望ましいインタラクティブな関係は、中国の経済成長の構造的原動力となろう」、と祝宝良氏は語っている。
「チャイナネット」2007年5月30日