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上海――金融都市の夢想と現実

歴史的に金融の街

陸家嘴の向かいは、上海バンド。19世紀末から20世紀初めにかけてここにヨーロッパ式の建築物が数多く建てられた。過去、その大半は金融機関のビルで、今もここで営業している銀行がある。この建物を通して、当時の黄浦江西岸の金融業の繁栄ぶりが想像できる。

歴史的に、上海の金融業には輝かしい記録がある。英オリエンタル・バンキング・コーポレーションは1847年に、初の外資銀行として上海に進出。1891年に設立された西洋企業上海証券取引所は中国初の証券取引所であり、1897年5月には中国人が経営する初の銀行、中国通商銀行が誕生した。上海は1930年代から中国の商業・金融の中心となり、アジアで最も重要な金融の中心、極東の国際金融の中心となってきた。

当時、上海では同業者間の短期資金融通、手形割引などの通貨市場、国内・外国為替や金、プラチナなどの金融市場のほか、先物市場も発達していた。資本市場では、ニューヨークとロンドンに次ぐ第3の株式・債券市場として、世界各地の企業が上場していた。上海は中国の近代的金融業の発祥地だったと言える。

だが、第2次世界大戦で、ほぼすべての外資銀行が中国業務を中止したことで、上海の金融業は衰退の一途をたどっていった。

現在、バンドは観光の名所となっているが、ヨーロッパ式の建築物を目にすれば、当時の上海の金融の繁栄ぶりが想像できる。

国家発展・改革委員会マクロ経済研究院の李恩強研究員は「外国の金融機関が中国大陸に進出する場合、まず考えるのは上海である。その独特の無形資産価値が表れているからだ」と指摘。

中国人民銀行の呉暁霊・副行長は「金融センターの建設、発展で、上海は歴史的に優位性がある」と強調する。

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