ある分譲マンションの販売所前で2晩も順番待ちをしていた張さんは、ようやく分譲住宅の契約書を手に入れ、委託者から300元の報酬を受け取った。張さんは「北京時光専列パオ腿公司」の職員で、汽車の乗車券の購入、病院で治療を受けるための整理券入手、銀行での支払いなどを代行する仕事をしている。いずれも簡単なことのようだが、長時間の順番待ちは実に忍耐力と体力の試練である。ちなみに、会社名にある「パオ腿」とは「使い走り」という意味である。
今年初めに大都市で行われた社会調査によれば、列に並ぶのは文明と秩序を体現するという認識を人々は普遍的にもってはいるものの、一部の「不合理な行列」を不満に思っていることがわかる。例えば、給料の引き出し、水道代・電気代・電話代の支払い、さまざまなローンの支払いなどの手続きはそれぞれ異なる銀行の取り扱いとなっているため、それぞれの銀行に足を運んで処理しなくてはならず、消費者は長時間に及ぶ待ち時間という苦境に陥る。
また、医療環境の整備の不均等によって、大手の病院には患者があふれ返っているが、小さい病院を訪れる患者はごくわずかというありさまだ。社会資源の独占と公共サービス力の不足が、このような「不合理な行列」を引き起こしている。そこで、張さんのような「順番待ちのプロ」が生まれたのである。
しかし、公共サービスの技術的手段の改善と制度の整備が進むにつれ、この商売も廃れていくはずであり、決して将来性のある商売とはいえない。
「チャイナネット」2007年12月6日
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