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人民元上昇は加速するか? 樊鋼氏
発信時間: 2008-02-18 | チャイナネット

――今年、人民元の上昇ペースは加速するだろうか。人民元は一気に上昇すべきであり、そうすれば海外の投機資金の人民元上昇観測を徹底的にうち消すことができるとする意見があるが、これは可能だろうか。

第一に、人民元の一回当たりの上昇がどれほどなら「一気に上昇」したことになるのだろうか。安定的でバランスの取れた相場とはつまるところどれくらいなのか。これは静態分析で確定できるものではない。ある国が人民元は27%切り上がるべきと主張しているが、本当に一気に27%上昇した場合も、その国は生産活動を自国に戻すことはなく、中国以外の発展途上国に移転させるだろうから、結局その国の貿易赤字問題は解決されない。より重要なことは、レートのもう一方を担う米ドルが下落を続けており、人民元がどれほど上昇しても「一気に上昇」したことにはならないということだ。人民元上昇の後、米ドルがさらに下落すれば、バランスの取れた相場は瞬く間に崩れる。

第二に、バランスの取れた相場とはどれくらいのものかわからずに人民元を大幅に変動させれば、大規模な投機資金の流動を招き、経済に大きなマイナス作用を及ぼすことになる。金融システムが未成熟な発展途上国である中国にとって、こうしたリスクは少なくとも現在の人民元の小幅上昇や漸進的調整がもたらすリスクより大きい。このため、私個人としては、人民元レートを経済発展とともに漸進的に、抑制的に引き上げ、一定の時間をかけて徐々に比較的バランスの取れた水準にもっていくべきだと考える。経済や金融の安定喪失という代価を支払わなければ「一気に上昇」は実現できない。小幅の上昇とはどれくらいなのかという点は具体的に検討しなければならない。昨年の人民元上昇ペースが予測を上回った重要な要因は、米ドルの加速的下落にある。米ドル下落という要因を除けば、昨年の人民元レートは小幅の上昇にとどまるのであり、こうした点を踏まえればホットマネーの流入は積極的に抑制されることになる。今年の人民元レートの上昇ペースや上昇幅がどれくらいになるかは、国内・海外のバランスという実際の状況の変化や米ドルの下落ペースに基づいて決まることであり、今すぐに一定の数値を設定する必要はない。

「人民網日本語版」2008年2月18日

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