○上半期のCPI上昇幅、高レベルを維持
「報告」では、次の2要因から、上半期のCPI上昇幅は引き続き高レベルを維持すると予測されている。
(1)海外価格からの連動や国内供給の制約といった要素により、価格形成に対する影響を改善することは当面難しいと見られる。国際石油価格は今なお高レベルで変動しており、バイオエネルギーの発展や新興市場経済体の急速な発展によって食糧需要が増大、世界的に食糧需給関係が緊迫化している。さらに、限りある国内土地資源、人口増加、消費構造のグレードアップ、工業用食糧の需要増、国内農産物価格の値上げなどの圧力が引き続きかなり大きいと見られる。
(2)インフレ予測がいっそう高まっている。インフレ予測によって、給与引上げ圧力が増すと同時に、企業の価格調整も迫られ、物価上昇の範囲の拡大が促される。このほか、これまでの要因に引きずられ、新しい値上がり要素がなくとも、2008年、特に上半期の消費者物価指数(CPI)は前年同期に比べ、かなり高いレベルとなる見通し。
「報告」では、これに対し、今回の物価上昇の形成メカニズムと特徴について、当面は合理的な貨幣政策を実施し、全体的な需要拡大を抑え、供給管理の強化も継続する必要があると指摘されている。また、海外市場の価格影響と国内の資源要素価格変動などの影響も考慮に入れ、価格水準の中・長期的な動向を正確に把握し、合理的な予想を促す必要がある。構造的な物価上昇が全面的かつ大幅なインフレにつながることを防がなければならない。物価の全体的レベルが、現段階での経済発展や市場化改革に相応した適切なレベルを保つ方針。
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