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原子力発電は中国の戦略的選択
発信時間: 2008-03-25 | チャイナネット

国家エネルギー局長に新たに就任した張国宝氏は23日、メディアの前に初めて顔を見せた。同氏は、中国はエネルギー構造調整の強化を図るべきだと語り、なかでも原子力発電は中国のエネルギー構造の秩序ある健全な発展に向けた当面の急務であり、戦略的選択であるとした。また同氏は、風力発電、水力発電などクリーンエネルギーの発展も積極的に進めていくべきだと述べた。

国家発展改革委員会(発改委)副主任、国家エネルギー局長である同氏は23日、国務院発展研究センター主催の「中国発展ハイレベルフォーラム」の席上、次のように述べた。中国の現在のエネルギー構造は石炭を主体としており、クリーンエネルギーの比重が低い。このまま旧態依然としたエネルギー構造に頼っていれば、資源と環境を蝕むことになる。石炭生産量を増加しエネルギー供給を保障することは、将来、資源・環境・輸送など多方面にわたり制約を被ることになり、現状を持続させることは困難である。

また同氏は、エネルギー構造調整の優先的選択として、原子力発電の開発強化が挙げられると指摘した。現在までに、中国全土で建設された原子力発電所の総容量は約900万キロワットであり、総発電量の僅か1.3%に過ぎない。ひるがえって世界各国の原子力発電比率は平均16%であり、フランス、日本、米国などではさらに高く、これら先進国の経験を学ぶことにより、中国の原子力発電の潜在性は極めて大きいといえるという。現在中国は原子力発電を積極的に推進しており、国家エネルギー局の原子力発電調整中長期計画では、2020年までに国家総発電量に原子力発電の占める割合を5%以上に引き上げるとしている。

さらに同氏は、エネルギー構造調整の次なる手段として、風力発電および再生エネルギーの大幅な発展に注力すべきだとしている。2007年、中国全土の風力発電所の総容量は605万キロワットに達し、さらに420万キロワット分が建設中で、風力発電は世界第5位の規模を誇る。100万キロワット級の発電所建設をさらに加速し、風力発電設備の研究開発、生産をも牽引する必要がある。目標は年間1千万キロワットの発電能力完成だと同氏は述べている。同氏によると、現在の発展ペースから推算すると、今年中にも1千万キロワットの発電容量は達成可能であり、2010年には総発電能力2千万キロワットとなり、第11次5カ年計画(2006-2010年)中にも、中国は世界最大級の風力発電国家となるという。第三に水力発電の開発を積極的に推進し、2020年までに水力発電総容量3億キロワットを目指すとしている。

「人民網日本語版」2008年3月24日

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