中国人民銀行(中央銀行)の蘇寧副行長(副総裁)は15日、中国・インド金融フォーラムに出席した際、「世界的なインフレ圧力の全面的上昇というマイナス局面に直面してはいるが、経済の内的パワーにより中国では悪性のインフレが出現する可能性はない。だが今後のインフレ圧力については細心の注意を払う必要がある」と述べた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
蘇副行長によると、国際経済と通貨をめぐる状況をみると、米ドルの継続的下落や新興経済体の力強い成長といった諸要因の影響を受けて、世界のエネルギー価格、原材料価格、農産品価格は上昇を続けており、世界規模でインフレの水準・圧力が目立って高まっている。だが中国経済は長年にわたる持続的で急速な発展を経て、財政状況は良好だ。企業の利益も目立って改善し、国民の所得の伸びも急速で、インフレリスクへの対処力はますます高まっており、経済成長の内的パワーは非常に強い。中国では悪性のインフラは出現しない。
また蘇副行長によると、今後のインフレ圧力については細心の注意を払う必要がある。現在、中国のマクロ経済政策では、構造的な価格上昇から明らかなインフレへの移行を防ぐことが最重要任務となっており、これに短期的な経済運営状況の変化に基づいて適切でタイミングのよい微調整を加えることが必要になる。現在の財政政策の重点は連続性と安定性の維持にあり、経済の構造調整やバランスのよい発展の促進において財政に重要な役割を発揮させることが必要だ。
「人民網日本語版」2008年5月16日 |