昨年、集約的に行われたマクロ調整政策が効果を現し始めたことや、世界経済の緩やかな鈍化などの影響を受けて、中国の消費市場の状況はどうなっているだろうか。今後の発展の展望はどうだろうか。商務部の于広洲副部長はこのほどあるフォーラムの席で「中国消費市場は開放されており、（国内の）経済発展を支えると同時に、世界に4つのチャンスをもたらしている」との見方を示した。

▽世界に4つのチャンス

于副部長は世界経済に対する中国消費市場の発展の影響について、次のように述べた。

第一に、中国消費市場の発展は世界経済に成長推進のチャンスをもたらしている。中国は世界の経済成長の重要な動力源であり、世界銀行のデータ試算によれば、過去5年間の世界の経済成長への貢献度は約13％に達する。中国は今後、主に投資と輸出に依存した経済成長から、消費、投資、輸出がバランスよく牽引する経済成長への転換をはかる方針だ。今後、経済成長に対する消費の貢献度がますます高まることが予想される。

第二に、中国消費市場の発展は世界に対中製品輸出のチャンスをもたしている。中国が世界貿易機関（WTO）に加盟して以来、中国の輸入の年平均増加率は26％に達し、中国は世界で最も増加率の高い国の一つになった。2007年には輸入額が9558億ドルに上り、世界3位だった。現在、世界の経済成長は鈍化し、主要先進国では消費の伸びが低下している。これに比べて中国の消費市場は活発だ。今年1～2月の社会消費財小売総額に占める輸入製品の割合は、1月が20％、2月が31％に達した。

第三に、中国消費市場の発展は世界に対中投資による利益獲得のチャンスをもたらしている。中国の消費市場は急速に発展しており、外資系企業にとってますます大きな発展の空間となっている。現在、中国には外資系企業が約6万社あり、売上高は10兆元を超え、工業生産額全体の3分の1を占めている。1990年から2006年にかけて、外資系企業が国外に送り出した利益は3千億ドルを超える。外資系企業は中国でさらなる発展を遂げれば、世界の競争の中でより有利な戦略的地位を獲得することができる。

第四に、中国消費市場の発展で生まれた新たな消費がチャンスをもたらしている。中国経済の発展と国民の生活水準の向上により、消費概念や消費スタイルに大きな変化が生じ、中国企業と外資系企業との協力展開の条件が整った。その条件とは▽エコロジー消費が発展しつつあること▽クレジットによる消費が普及しつつあること▽オンラインショッピングが最盛期を迎えつつあること▽リースによる消費に大きな発展の可能性があること――などだ。巨大な市場と巨大なチャンスが、海外企業を対中投資にかきたてることが予想される。