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地震で家屋倒壊、ローンはどうなる?
発信時間: 2008-05-20 | チャイナネット
 
  ▽銀行はリスクを負担しない

  このたびの大地震で倒壊した家屋の住宅ローンを通常通り返済すべきかどうかについて銀行関係者にたずねたところ、その多くが「銀行は地震のリスクを負担しない」と答えた。通常の手続きに従えば銀行にはローンの返済を求める権利があるが、今回の地震の被害の大きさを考えると、中国銀行業監督管理委員会が新たな優遇政策を打ち出し、銀行が政策に基づいて操作を進めることが望ましい。だが現在、住宅ローン政策には何の変化もみられない。「信息時報」が伝えた。

  広東正大聯合弁護士事務所の李欣弁護士によると、ローン利用者は銀行にローンを申請した際、銀行と住宅資金の貸借契約だけでなく、家屋の担保契約も結んでおり、これらの契約によって銀行との間で一種の主従関係を結んだことになる。地震で契約対象の家屋が消失し、担保契約が終了しても、貸借契約は有効であり、ローン利用者は引き続き返済の責任を負う。だが銀行はもともとローン提供時に取引リスクを負っている。家屋が倒壊してローン契約者が死亡した場合、遺産があれば銀行は相続人に返済を求めることができるが、遺産がない場合や契約者が生存していても返済能力を失った場合などは返済は不可能で、銀行が取引リスクを負わなければならなくなる。
 
▽保険会社がリスクを負担するケースも

  銀行関係者によると、住宅ローン利用者は自然災害がもたらすリスクに対し、リスク保険をかけることで対処することができる。だが地震のリスクは大きいため、現在の住宅ローンに付随する基本的なリスク保険では地震が補償対象とされていない。平安保険の関係者によると、基本のリスク保険では一般的に地震は補償の対象外で、補償されるのは火災、爆発、大雨、台風など13種類の自然災害だ。一部の契約では地震を付帯条項に入れて補償する場合もある。現在、中国銀行、中国工商銀行などの国内資本銀行の住宅ローンで利用されるリスク保険は基本条項が中心で、地震を補償対象から外しているが、東亜銀行や恒生銀行などの外資行では地震を補償の範囲に組み込むことが多い。地震が付帯条項に入っていれば、家屋の損害程度の査定を踏まえて、一般的には価格の80%まで補償が受けられるという。(編集KS) 


  「人民網日本語版」2008年5月20日

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