四川省でこのほど発生した大規模地震は、中国経済の展望に対する人々の見方に影響を与えた。JPモルガン・チェース中国市場部の李晶董事総経理(CEO)兼主席は次のように述べた。四川省は農業の盛んな省で、ブタ飼育が省全体の農林牧漁業生産額の半分近くを占めている。地震が農産品価格を押し上げ、ひいては物価上昇傾向を強める可能性がある。また4月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比8.1%上昇しており、インフレ情勢の深刻化がうかがえる。だが第2四半期の中国の経済成長に地震は一定のマイナス影響を与えるとみられるものの、全国的にみれば影響は限定的で、地震後の再建が国内総生産(GDP)の成長を促すことも予想される。「中国証券報」が伝えた。
メリルリンチは報告書の中で、中国経済への地震の影響は年初の大雪災害よりも小さいとの予測を示す。四川省の国全体に占める割合は、GDPが3.9%、製造業生産額が2.5%に過ぎないうえ、被災地は遠隔地にあり、対外貿易や輸出に大きな影響が出ることは考えられないという。
リスク評価会社・エアワールドワイドは、今回の地震による経済的損失は200億ドルを超える見込みだが、損失総額を算出するにはなお数週間かかるとしている。
「人民網日本語版」2008年5月19日 |