ここ数年来、ルイ・ヴィトンやグッチなど世界の一流ブランドが天津市に相次いで進出を果たし、同市はさながらぜいたく品市場の「新大陸」となっている。おおまかな統計によると、同市内にある一流ブランドの店は、5年前の数店舗から現在は100店舗近くまで増加した。最近、同市内の消費者を対象に行った調査によると、ぜいたく品市場の拡大に伴い、消費者からの非難の声も高まっているという。「市場報」が伝えた。
同調査によると、消費者の半数が同市内での一流ブランド品の販売について「価格が高く、商品を売り出すタイミングが遅い」との印象をもっている。店頭に並ぶ商品はシーズン遅れのものが多く、期待が裏切られたという女性が多い。
天津市のファッション界はなぜ半歩出遅れるのだろうか。販売員によると、欧米発の国際的ファッションブランドは通常、販売開始の3カ月前にデザイナーが最終的なデザインを完成させ、生産を開始する。商品ができあがるとまず本国で先行販売し、それから海外に発送する。輸送や入国手続きに時間がかかるうえ、各都市への発送にも時間がかかるため、商品が店頭に並ぶ時間にズレが生じる。同調査によると、天津にトップブランドの店ができても、購入者の9割以上はこれまで通り香港、上海、北京などで同じブランドの商品を買っている。価格面だけでなく、他都市の方が商品の種類が揃い、新しい商品も豊富にあることが原因だ。これまで他都市で一流ブランドを買ったことのない人も、香港や上海でのショッピングを視野に入れ始めている。天津市のある旅行社の責任者は「休日や祝日に香港を訪れる団体ツアーでは、ほとんどの人にとって買い物が最大の関心事だ」と話す。
「人民網日本語版」2008年7月17日 |